新型コロナ警戒信号、メキシコ市を含む5州が赤

(メキシコ)

メキシコ発

2021年01月04日

メキシコ連邦保健省が2021年1月1日に発表した新型コロナウイルス感染警戒信号(2020年5月15日記事6月2日記事6月15日記事8月31日記事参照)は、5州が赤、22州がオレンジ、3州が黄色、2州が緑となった(添付資料表参照)。2020年12月18日の前回発表からの変化は、グアナファト州とモレロス州のオレンジから赤への後退だけだが、両州は独自の判断で、それぞれ12月28日~1月10日の14日間、12月25日~1月10日の17日間、警戒信号を赤として、最高の警戒レベルとすることを発表していたので、実態的には連邦保健省が両州の判断を追認したかたちだ。連邦保健省による1月1日の警戒信号発表は1月4~17日の14日間を対象としたものだが、赤となっているメキシコ市とメキシコ州は12月18日時点で12月19日~1月10日の23日間を赤にすると発表していることから、1月11日から元のオレンジに戻る可能性もある。これはグアナファト州、モレロス州にも当てはまる。ただし、過去14日間のメキシコ市とメキシコ州の新規感染確認者数は高水準を続けており、楽観視することはできない。

2021年1月2日に連邦保健省が発表したデータによると、メキシコ全土の累計感染確認者数は144万3,544人、累計死者数は12万6,851人。過去14日間の1日当たりの新規感染確認者数は移動平均で9,276人と高水準が続いている。このうち、メキシコ市は3,433人、メキシコ州は1,092人で、全体の48.8%を占める。累計感染確認者数に占めるメキシコ市とメキシコ州の割合が33.5%であることに鑑みるに、過去14日間の全国感染確認者数の増加が主にメキシコ市とメキシコ州によるものと分かる。

メキシコ市でワクチン接種を開始

進出日系企業が多い州をみると、メキシコ市、メキシコ州、バハカリフォルニア州、グアナファト州が赤、アグアスカリエンテス州、チワワ州、コアウイラ州、ハリスコ州、ヌエボレオン州、ケレタロ州、サンルイスポトシ州、サカテカス州がオレンジ、タマウリパス州が黄色となっている。

メキシコにおいても2020年12月24日にワクチン接種が始まったが、当面はメキシコ市とコアウイラ州でのみ行われ、その対象者は医療関係者とされている。2021年3月までには60歳以上の高齢者に対するワクチン接種を完了できる、と政府はコメントしているものの、現在の高水準の感染を抑える特効薬になるかどうかは不明だ。

(稲葉公彦)

(メキシコ)

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