2021年中のビジネス正常化を見込む企業は5割超、在カナダ進出日系企業実態調査

(カナダ)

米州課

2021年01月06日

ジェトロが2020年12月22日に発表した「2020年度海外進出日系企業実態調査(北米編)」(2020年12月22日記事参照)では、新型コロナウイルス感染拡大の影響について聞いた。調査結果によると、新型コロナウイルス感染拡大が営業利益に与えたマイナスの影響として、「現地市場での売り上げ減少」(72.2%)を挙げた企業は7割を超え、「輸出低迷による売り上げ減少」(33.3%)、「渡航制限・入国制限」(30.6%)が続いた(添付資料図1参照)。ビジネス活動が正常化する時期については、「2021年後半」が31.3%、「2021年前半」が26.5%となり、2021年中を見込む企業が半数を超える結果となった(添付資料図2参照)。また、ビジネス活動正常化後の需要環境について、「新型コロナ前に戻る」とみる企業は45.8%と半数以下にとどまり、「やや減少する」が33.3%となった(添付資料図3参照)。一方、需要増加を見込む企業は10.4%だった。

在宅勤務やデジタル化が進む

新型コロナウイルス感染拡大を受けて、事業戦略やビジネスモデルの見直しを行った(予定を含む)企業は55.1%となった。業種別でみると、旅行・娯楽業(87.5%)や販売会社(73.7%)で見直した企業の割合が高かった。見直し内容(複数回答)としては、「在宅勤務やテレワークの活用拡大」が82.7%を占め、「バーチャル展示会、オンライン商談会などの活用推進」(48.1%)、「人員削減による合理化」(38.3%)、「デジタルマーケティング、AI(人工知能)利用などデジタル化の推進」(32.1%)が続いた(添付資料図4参照)。ジェトロがデジタル化の取り組みについてヒアリングを行ったところ、「SNSを活用したデジタルマーケティングを積極展開」(その他製造業)、「顧客管理(CRM)やテレマティクスなどを導入し、顧客データの活用・分析、商品力向上の取り組みを推進中」(販売会社)などが聞かれた。

こうした中、カナダでは新型コロナウイルスの感染者数が2020年末から急増しており、ジョンズ・ホプキンス大学によると、2021年1月5日現在で感染者数の累計は60万人を超えている。オンタリオ州では12月26日から州内全域でロックダウン措置が実施され、飲食業は屋内外でのサービス禁止、小売店では収容人数に制限が設けられている。本措置は同州北部で1月9日、トロントなど主要都市を含む南部で1月23日まで施行される。

(大塚真子)

(カナダ)

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