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全土がソーシャルディスタンス地域に移行するも、感染再拡大を懸念

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年12月24日

アルゼンチンのアルベルト・フェルナンデス大統領は12月18日、新型コロナウイルス感染拡大により3月20日に発令した外出禁止措置を2021年1月31日まで再度延長すると発表した。

外出禁止措置は感染拡大防止を図るため、強制隔離を講じる地域(ASPO)と、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を保つ地域(DISPO)に全土を分ける仕組み。12月21日に公布した20日付の必要緊急大統領令(DNU)1033/2020号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにより全土がDISPOに指定され、ASPOの指定地域はなくなった。ただし、新たな感染拡大を防止する目的で地方自治体から要請があれば、人の移動を制限するなど地域ごとの特別措置を講じることもできる。ブエノスアイレス首都圏(AMBA、ブエノスアイレス市とブエノスアイレス州周辺35都市で構成する地域)は既に11月9日にDISPOに移行している(2020年11月9日記事参照)。

DISPOで引き続き禁じられているのは、密閉空間または公共施設以外での20人以上の文化・娯楽・宗教的イベントや自宅での集会開催、公共施設の屋外スペースでの100人以上の文化・娯楽・宗教的イベントの開催、密閉空間での10人以上のあらゆる運動・スポーツの実施(AMBAでは人数を問わず密閉空間では禁止)、映画館・劇場・文化センター、他都市や他国とつなぐ公共交通機関サービス。公共交通機関の利用は必要不可欠な業種に従事する者に限られる。非居住外国人の入国禁止措置も1月31日まで延長されるが、AMBAでは隣接国の居住者(国籍を問わず)の観光目的の入国は認められている(2020年11月2日記事参照)。

国内の感染状況は再び増加傾向にあるとして警鐘が鳴らされている。12月22日時点の保健省報告によると、全国の新規感染者数は8,141人、累計感染者数は155万5,279人、累計死者数は4万2,254人。12月21日付の現地紙「クラリン」によると、同紙が保健省のデータを分析した結果、ブエノスアイレス市の12月13~19日の1週間の感染者数は前週の感染者数と比べて48%増加した。同様にブエノスアイレス州では79%増、全国では21%増加した。国内の感染症学者などは、観光のために移動が許可されたこと、ソーシャルディスタンスを守らず毎日のようにさまざまなデモが行われていること、許可されていない若者の集会が増加していることなどが原因と指摘している。

ヒネス・ゴンサレス・ガルシア保健相は12月22日、「第2波は想定よりも早く到来する可能性が高い」とラジオ番組のインタビューで述べた。隣接国では感染拡大が確認されているため、これらの国からの観光目的の入国を再度禁止する可能性も検討されている。

ワクチン接種に期待がかかるものの、ロシア製ワクチン「スプートニクV」の購入が遅れているほか、12月中に届く予定の数はわずか15万人分と判明した。政府は米国製薬大手ファイザーと調達契約の合意に至らなかったとしているが、その理由を明確にしなかったことから、国内メディアは保健相の不手際やさまざまな不正疑惑を報じている。国民の間ではワクチンに対する不安と困惑が広がっている。

写真 毎日のようにあるブエノスアイレス市内のさまざまなデモ行進(ジェトロ撮影)

毎日のようにあるブエノスアイレス市内のさまざまなデモ行進(ジェトロ撮影)

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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