隣接国の観光客を対象に国境開放

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2020年11月02日

アルゼンチン政府は10月29日、同国と国境を接するブラジル、ウルグアイ、パラグアイ、ボリビア、チリの居住者の観光目的の入国を認めるパイロットプランを開始することを定めた行政決議1949/2020号を官報に公示し、即日施行した。マティアス・ラメンス観光・スポーツ相が24日に入国制限緩和の方針を発表していた(2020年10月26日記事参照)。

30日には、ブエノスアイレス州に所在するエセイサ国際空港、サンフェルナンド国際空港、ブエノスアイレス港フェリーターミナルからのパイロットプラン対象者の出入国を認める移民局規定3460/2020号が発効した。これにより、3月16日から続く国境封鎖の一部が解除されることになった。先述の隣接国の居住者であれば、外国人の入国も認める。ただし、渡航先はブエノスアイレス市とブエノスアイレス州35市で構成するブエノスアイレス首都圏(AMBA)に限られる。

パイロットプランの入国者は14日間の強制隔離を免除されるが、入国の48時間以内にオンライン上で健康状態に関する宣誓供述(Declaración Jurada)を行わなければならない。また、入国の72時間以内にPCR検査を受けて陰性証明を取得し、万が一新型コロナウイルス感染症に感染した場合の入院費や隔離にかかる費用をカバーできる旅行傷害保険への加入が必要となる。

アルゼンチン政府は、新型コロナウイルス感染拡大による影響を最も受けているのが観光業であり、宿泊やパック旅行、飲食店、文化活動、レクリエーション施設、民芸品の販売、個人サービス、運輸、通信などの幅広い活動に直接的、間接的な収入をもたらす観光業を「公衆衛生の保護を優先しながら順次再開していくことが重要」としている。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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