政府が投資会議を開催、5年間の投資目標の6割強を達成

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2020年11月26日

南アフリカ共和国政府は11月17、18日に「南ア投資会議2020」をヨハネスブルク市内で開催した。同会議は2018年から毎年実施され(2018年11月1日記事2019年11月19日記事参照)、今回で3度目。新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインを中心に開催された。

シリル・ラマポーザ大統領は開会あいさつで、新型コロナウイルス感染拡大により国内経済はかつてないほどの打撃を受け、失業率も過去最悪を記録したことから、経済の立て直しが最優先事項だと強調した。2018年4月にラマポーザ大統領が宣言した5年間で1兆2,000億ランド(約8兆2,800億円、1ランド=約6.9円)の投資を呼び込む目標に対し、現在までに主要産業の鉱業分野を中心に、総額1,720億ランド規模のプロジェクトが実行に至ったと成果をアピールした。また、新型コロナウイルス感染拡大により延期となっていたアフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)が2021年1月に運用開始の予定だと述べた。充実したインフラや物流、資本市場を有し産業の多角化が進んでいる南アは、アフリカ市場への参入拡大を図る企業にとって理想的な立地場所にあると、競争優位性を訴えた。他方で、これまでにコミットされた投資プロジェクトの約10%に当たる21件が新型コロナウイルスの影響で遅延または保留となっているとし、影響の大きさに触れた。

投資会議後の南ア政府の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、会期中に50社超による総額1,096億ランドの投資が約束され、これにより投資目標の64%となる7,736億ランドの投資がコミットされたとしている。具体的には、米国飲料大手ペプシコによる生産施設向け拡張投資(55億ランド)、米通信大手グーグルによる光海底ケーブルの設置(22億ランド)、南ア通信大手テルコムによるインフラ拡張投資(80億ランド)など、既に進出している企業や国内企業による設備投資が報じられている。

(高橋史)

(南アフリカ共和国)

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