政府が第2回投資会議を開催、投資の積み上げアピール

(南アフリカ共和国)

ヨハネスブルク発

2019年11月19日

南アフリカ共和国政府は11月5~7日、ヨハネスブルク市内で「投資サミット2019」を開催した。2018年10月26日の第1回サミット(2018年11月1日記事参照)に続き2度目となった。前回はシリル・ラマポーザ大統領が「2023年までの5年間で1,000億ドル(約1兆4,790億ランド)の対内投資を呼び込む」と発表していた。今回は前回からの進捗をアピールする機会として開催された。

ラマポーザ大統領は基調講演で、前回発表した31件のプロジェクトからなる総額3,000億ランド(約2兆1,900億円、1ランド=約7.3円)の対内投資計画のうち、完遂された8件と進行中の17件の合計額が2,380億ランドに上ると成果を強調した。また、今回の投資会議では新たに3,630億ランドの投資計画が発表された。前回と今回発表された投資計画の総額は6,630億ランドとなり、5年間の目標の半分近くが達成されたことになる。政府はこれらの投資によって5年間で40万人以上の直接雇用を新たに創出し、29.1%にも上る失業率〔2019年第3四半期(7~9月)〕の改善に貢献すると強調した。

当地の報道によると、新規投資計画には以下の案件が含まれるとみられる(「SAnews」紙、「Fin24」紙、「Business Report」紙、いずれも11月6日)。南ア通信大手MTNによるデジタルインフラ整備(500億ランド)、南ア産業開発公社(IDC)の各種プロジェクトへの投資(180億ランド)、南ア・フランス商工会会員企業の投資(200億ランド)、トヨタのハイブリッドを含む新車種生産ラインにかかる投資(24億ランド)などだ。

一方、南ア政府が発表した投資額には企業の運営コストが計上されていることや、国営企業による投資が含まれていることに対する疑問のほか、これらの投資規模は低迷する南ア経済を浮揚させるに十分ではないといった懐疑的な見方もある(「USNews」紙11月6日)。

なお、今回の投資サミットの中で、8月に横浜で開かれた第7回アフリカ開発会議(TICAD7)で公約として発表されたビジネス環境整備を目的とした「日本・南アビジネス協議会」を開始する旨、丸山則夫駐南ア大使とエブラヒム・パテル貿易産業相の署名セレモニーが実施された。

(石原圭昭、高橋史)

(南アフリカ共和国)

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