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スイス政府、OECD事務総長選挙にヒルデブランド氏を擁立

(スイス、世界)

ジュネーブ発

2020年11月06日

スイス連邦参事会(内閣)は10月28日、OECDのアンへル・グリア事務総長(任期2021年5月末)の後任候補として、フィリップ・ヒルデブランド氏を擁立することを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。連邦政府では、同氏のプロフィールを紹介するサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを立ち上げるとともに、選挙に向けた支援活動を展開していくとしている。

ヒルデブランド氏は、スイス国立銀行(SNB)に10年間勤務し、2010年から2012年までSNB総裁を務めた。2011年には金融安定理事会(FSB)の議長を務めたほか、国際決済銀行の理事、IMF専務理事、OECD国際決済委員会(WP3)議長などを務め、国際的金融機関での業務経験も豊富だ。2012年からは米国投資銀行ブラックロックの副会長を務めている。2008年の金融危機や2011年ユーロ危機に際して、SNB在職中だった同氏の手腕や、国際金融界における経験も評価されている。

スイスは中立国であることからか、国際機関におけるリーダーシップをこれまで積極的に求めてこなかった。OECDには1961年設立当初からの加盟国だが、事務総長・次長を出したことはなく、ジュネーブに本拠を置く世界保健機関(WHO)、国際電気通信連合(ITU)、WTOなどの国際機関も同様だ。国連への加盟は2002年になってからだ。

一方、スイスは近年、OECDが主導する政策により、大きなポジション変更を迫られてきた。課税回避行防止のため、OECDが主導して2017年に導入した、金融機関の国際自動情報交換制度は「銀行の守秘の終わり」をもたらしたし(2020年10月16日記事参照)、現在行われている、デジタル課税も含めたOECD租税条約見直しの議論では、多国籍企業の本拠地を誘致してきたスイスにとって、課税優位性が減る恐れもある(2019年5月29日記事2019年8月29日記事参照)。10月28日付の「NZZ」紙の報道では、この2点に加え、教育水準(PISA)で測った場合のスイスの評価、OECD国別審査における労働市場、定年制度、金融政策などにおける指摘が、国内的にも争点として取り上げられてきているなど、OECDが政策形成に果たす重要性を指摘している。

OECD事務総長選挙に立候補者を擁立している国は、11月2日時点で米国、カナダ、オーストラリア、デンマークなど10カ国10人で、今後、事務総長選挙が本格化する。

(和田恭)

(スイス、世界)

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