10月26日以降の新型コロナ警戒信号発表、チワワ州が赤に後退

(メキシコ)

メキシコ発

2020年10月26日

メキシコ連邦保健省は10月23日、10月26日以降に適用される各州の新型コロナウイルス感染警戒信号(2020年5月15日記事6月2日記事6月15日記事8月31日記事参照)の色を発表した。全国32州のうち、1州が赤、19州がオレンジ、11州が黄色、1州が緑となり、黄色の州が3州減り、オレンジが2州増えた。カンペチェ州は緑を維持したが、チワワ州がオレンジから赤に後退した。進出日系企業が多い州では、チワワ州が赤、アグアスカリエンテス州、バハカリフォルニア州、メキシコ市、コアウイラ州、ハリスコ州、メキシコ州、ヌエボレオン州、ケレタロ州、サンルイスポトシ州、サカテカス州がオレンジ、グアナファト州とタマウリパス州が黄色となる。今回、オアハカ州、シナロア州がオレンジから黄色に好転し、反対にバハカリフォルニア州、南バハカリフォルニア州、ミチョアカン州、キンタナロー州、サンルイスポトシ州が黄色からオレンジに、チワワ州がオレンジから赤に戻ってしまった(添付資料表参照)。なお、連邦の信号が黄色に好転したり、オレンジに戻ったりした州であっても、州政府の判断でそれまでの色を継続することがあるため、州政府による信号の色の発表にも留意する必要がある。

チワワ州の新型コロナウイルス警戒信号が赤に戻るのは6月14日以来となる。チワワ州では、連邦政府に操業継続が「不可欠な活動」と認められている自動車産業であっても、信号の色に応じた従業員の出勤率規制が適用される。チワワ州は当初、赤信号下では自動車産業であってもフル操業時の30%の労働者までしか出勤させることができなかったが、8月10日付の州官報で公布された条例に基づき、60%までの出勤が認められる。

コアウイラ、ドゥランゴ、ヌエボレオン州の3州が赤に最も近いと警告

保健省は10月23日夕刻の記者会見で、オレンジの州のうち、コアウイラ州、ドゥランゴ州、ヌエボレオン州の3州が赤信号に後退する可能性が最も高いとして、警戒を呼び掛けている。赤信号に戻ったチワワ州やこれらの3州においては、感染対策を強化する動きがみられる。チワワ州では、若い層を中心とする週末の集会を防止するため、週末のアルコール販売を当面の間禁止する。コアウイラ州政府は、11月3日の死者の日の前後に墓地に人が密集するのを回避するため、墓地の閉鎖を命じた。日系企業が50社以上進出しているヌエボレオン州では、経済活動の規制を強化することはしないが、市警察などによる監視を強化し、違法な集会などが行われている場合は公権力を使って排除する、とハイメ・ロドリゲス知事は語っている。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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