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米政府、重要・新興技術に関する国家戦略を発表

(米国)

ニューヨーク発

2020年10月20日

ドナルド・トランプ米国大統領は10月15日、「重要・新興技術のための国家戦略」(以下、技術国家戦略)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。重要・新興技術(C&ET)を特定し、その分野における米国のリーダーシップを維持するための取り組み方針をまとめている。

同盟・友好国との協力を強調

技術国家戦略PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)では、トランプ政権が2017年12月に発表した「国家安全保障戦略(NSS)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」に沿って、米国がC&ETで世界のリーダーであり続けるために、同盟・友好国や産学と連携して、(1)国内のイノベーション基盤を強化するとともに、(2)戦略的競争相手からC&ETを守ることを柱としている。その前提として、20分野のC&ETを特定した(注1)。

(1)国内のイノベーション基盤強化に関しては、NSSで定義した「国家安全保障イノベーション基盤(NSIB)」(注2)を促進すべく、科学技術分野の人材の育成、規制緩和、国際的な標準策定の主導、連邦政府の研究開発分野への予算投入などに力を入れていくとしている。また、同盟・友好国との強固で長期的な協力関係を築き、民主的価値観を促進していくとしている。

(2)C&ETの保護に関しては、懸念のある戦略的競争相手の例として中国とロシアを挙げ、両国による技術盗取などの取り組みを阻むとしている。また、輸出関連法や多国間の輸出管理体制によるC&ETの適正な管理に加えて、同盟・友好国が対米外国投資委員会(CFIUS)と類似の対内直接投資審査の手続きを構築するよう関与するとしている。

これら方策の中には既に始まっている取り組みもあるが、今回発表された技術国家戦略はあらためてC&ETに関する連邦政府の包括的なビジョンを明示したものとみられる。例えば、輸出管理に関しては、ウィルバー・ロス商務長官が同日、「商務省は既に36を超える新興技術を管理対象としており、今後も管理が必要な技術を評価・特定していく」との声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを出している。最近の事例として、2019年のワッセナー・アレンジメントの総会に基づき6つの新興技術を輸出管理対象に加えた点を紹介している(2020年10月8日記事参照)。また、現在は「基盤的技術」の特定に向けたパブリックコメントも募集中であるとしている(2020年9月1日記事参照、注3)。

(注1)「重要・新興技術のための国家戦略PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」の付属文書に列挙された、先端コンピューティング、先端在来型武器技術、先端エンジニアリング素材、先端製造、先端センサー、航空エンジン技術、農業技術、人工知能、自動化技術、バイオ技術、化学・生物・放射線物質・核(CBRN)軽減技術、通信・ネットワーク技術、データサイエンスおよびストレージ、分散型台帳技術、エネルギー技術、ヒューマン・マシン・インターフェース、医療・公衆衛生技術、量子情報科学、半導体・微細電子工学、宇宙技術の20分野。

(注2)NSSで、「学会や国立研究所、民間分野を含む米国の知識、能力、人々のネットワークであり、アイデアをイノベーションに変え、発見を有望な商業製品・企業に転換し、米国民の生活を守るとともに高めるもの」と定義している。

(注3)パブコメ提出期限はその後、官報外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに基づき米東部時間2020年11月9日まで延長された。

(磯部真一)

(米国)

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