政府、新型コロナ禍で180万人以上に休職・失業手当を支給

(タイ)

バンコク発

2020年10月01日

タイ労働省は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、2つの省令を4月17日に発出し、社会保険への加入などの条件に該当する従業員は社会保険事務局を通じ、休職・失業手当を申請できることを定めている(2020年4月22日記事参照)。この点について、ジェトロが9月23日に、8月までの給付実績を社会保険事務局・保険手当部外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに確認したところ、180万人以上の従業員に休職・失業手当を給付したことが分かった。金額ベースでは366億4,875万バーツ(約1,209億4,100万円、1バーツ=約3.3円)に達する。各手当の給付実績は以下のとおり、

  • 休職手当:93万7,097人に給付(148億5,849万バーツ)
  • 失業手当:86万3,008人に給付(217億9,026万バーツ)

なお、休職手当は8月31日で給付期間が終了したため、9月以降も不可避の事由により休職状態が続く従業員に対しては、雇用者側で対応の検討が必要となる。この際に雇用者は、社会保険法の基準ではなく、労働者保護法に従い、休職中の従業員の減給や無給の可否を判断する必要がある点に留意が必要だ(注)。

この点、仮に雇用継続が難しく、9月以降に解雇する従業員に対しては、対象期間が長い、「2.失業手当」の申請手続きを紹介することが可能だ。

労働省は、これら休職・失業手当の給付に加え、新卒者を雇用する事業者に対する補助金導入を閣議に提案した他(2020年9月16日記事参照)、バンコク市内にて大規模な就職フェア「JOB EXPO THAILAND 2020(9月26日~28日)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を開催、雇用促進を図ろうとしている。

(注)社会保険法と労働者保護法の「不可避の事由」の範囲は異なる。新型コロナウイルスに関連し、社会保険法上の「不可避の事由」とは、(1)政府命令での事業所閉鎖による休職、(2)自主的な事業所一時閉鎖による休職、(3)感染者との接触による隔離措置や感染の疑いにより出勤を拒否された場合だ。労働者保護法上の「不可避の事由」とは、政府命令による事業所閉鎖で、この場合は従業員を無給で休職させることができると考えられる。そのため、閉鎖命令でないが、感染症の影響で事業を停止せざるを得ない場合、雇用者は労働者保護法75条により、賃金の75%以上を支給して休職させると考えられる。それ以上に賃金を減給、または無給にするためには、従業員の同意が必要と考えられる。

(田口裕介、今泉美里)

(タイ)

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