雇用創出に向けた新たな経済対策を閣議承認

(タイ)

バンコク発

2020年09月16日

タイ政府は9月に新たに設置した経済状況管理センター(CESA)(注)において、新たな景気刺激策を決定し、9月8日の閣議外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで承認された。予算額は234億バーツ(約772億円、1バーツ=約3.3円)。内容は、新卒者を雇用する事業者に対し補助金を出す雇用対策で、2020年10月から開始の予定。

大学、職業専門学校、職業高校卒業者を新規雇用した事業者に対し、賃金の半額を政府が補助する。基準給与(上限)は、大卒が月給1万5,000バーツ、職業専門学校卒が1万1,500バーツ、職業高校卒が9,400バーツとし、その半額を政府が補助するとした。政府が賃金を補助する期間は2020年10月1日から2021年9月30日までの1年間。補助金の対象となる新卒者とは、タイ国籍の25歳以下の上記に該当する教育機関卒業生、もしくは25歳以上の場合には、2019年または2020年に卒業した者。他方、補助金の申請対象となる事業者側の条件として、社会保険制度に加盟していること、補助の期間中に既に雇っている従業員の15%超を解雇してはいけないことが定められている。

政府は補助金の対象者を約26万人と見込んでいる。タイ政府は、新卒者の雇用や失業者の救済を優先課題の1つとして挙げており、労働分野の専門家をアドバイザーとして全国に配置するなど、これらの問題解決に取り組んでいる。国営の石油企業などが新卒者の採用を増やすなどの動きもある。

(注)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)状況管理センター(CCSA)と同様、プラユット・チャンオチャ首相が議長を務める省庁横断の対策本部。

(岡本泰、ナオルンロート・ジラッパパー)

(タイ)

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