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新車の電気自動車の関税、4年間の期限付きで撤廃

(メキシコ)

メキシコ発

2020年09月08日

メキシコ政府は9月3日、連邦官報で政令外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布し、輸出入一般関税率表(TIGIE)を変更した。適用は翌4日から。電気自動車(EV)の販売促進を目的とし、EV(バス、乗用車、トラック)の関税分類(HS)コードの細分類を新車と中古車に分けて設定し、新車については2024年9月30日までの期限付きで一般関税率を0%に引き下げる。期限設定の背景には、フォードなど一部の完成車メーカーがメキシコ国内でのEVの生産投資を発表していることがあり、国内生産が存在しない、あるいは十分でない間は関税を引き下げることで販売促進を狙う。中古EVの一般関税率はバスが20%、乗用車とトラックは15%となる。

メキシコ国内では、BMWとゼネラルモーターズ(GM)、日産自動車、テスラの4社がEVを販売している。国立統計地理情報院(INEGI)が発表するメキシコ自動車工業会(AMIA)会員企業の販売統計をみると、2019年のEV販売台数は、BMWのi3が94台、i8が26台、GMのボルトが27台、日産のリーフが67台、テスラはAMIAに加入していないために統計がないが、前記3社よりも販売台数は多いと言われている。2019年のハイブリッド自動車の販売台数が2万3,964台、プラグインハイブリッド車の販売台数が1,339台であることを考えると、EVの普及は遅れている。テスラとGMは米国、BMWはドイツ、日産は日本から輸入しており、それぞれ自由貿易協定(FTA)が活用できるため、一般関税率は支払っていない。ただし、安徽江淮汽車(JAC)が2020年から中国製EVのE Sei 1の販売を開始しており、中国とのFTAがないメキシコでは今回の措置が同社にとって追い風となる。

EVの普及遅れの背景にはインフラ不足があるが、メキシコ政府は2018年12月、電力産業法第46条第I項の判断基準を官報公示し、電力の最終消費者である法人・個人が所有する施設内で第三者に自由に売電することができる取引形態を明らかにした(2018年12月26日記事参照)。これにより、EV充電スタンドでの売電の合法性が明らかになったため、絶対数こそ多くないものの、昨今は公共駐車場などで電気自動車の充電スペースが目につくようになっている。

写真 ショッピングモール内駐車場の充電スペース(ジェトロ撮影)

ショッピングモール内駐車場の充電スペース(ジェトロ撮影)

DTA削減効果を得るためにはFTA活用がベスト

EVの新車の一般関税率は当面0%となったが、米国やEU、日本からの輸入にはFTAを活用したほうが良い。米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)第2.16条は、原産品に対して税関使用料を課してはならないと規定しており、EUメキシコFTAや、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)には、税関手数料を従価税の形態で課してはならないとする規定がある。従って、USMCA原産品に対してはメキシコの税関手数料(DTA)がゼロとなり、EUメキシコFTA原産品やTPP11原産品については、DTAが1申告当たり341ペソ(約1,671円、1ペソ=約4.9円)となるため、輸入申告価格の0.8%が徴収される一般関税率を適用した輸入に比べ、DTAの支払い額が少なくなる(2019年1月4日記事参照)。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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