8月の国内乗用車新規登録台数、低排出ガス車が約4倍に急増

(ドイツ)

ミュンヘン発

2020年09月17日

ドイツ自動車産業連合会(VDA)は9月9日、国内の8月の乗用車新規登録台数のうち、プラグインハイブリッド車と電気自動車(EV)の登録台数が前年同月比で約4倍に急増したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

ドイツ連邦自動車局(KBA)の統計によると、8月の乗用車新規登録台数は前年同月比20.0%減の25万1,044台だった。このうち、プラグインハイブリット車は前年同月比で5.5倍の1万7,095台、EVは3.2倍の1万6,076台といずれも急増した。両タイプのシェアは全体の13.2%を占め、単月で過去最高のシェアとなった。ガソリン車は前年同月比38.8%減、ディーゼル車は26.7%減だった。

VDAのヒルデガルト・ミュラー会長は「プラグインハイブリッド車は、個人の持続可能なモビリティーのため重要な要素となっている」とコメントした。同会長はプラグインハイブリッド車が消費者に好まれる理由として、街乗りの際はEVとして二酸化炭素(CO2)を排出せずに走行可能でありながら、必要となる長距離走行も可能なことを挙げた。また、エンジンで走行しても同様のガソリン車よりも燃費が良く、電気とガソリンの「2つの世界」の最適な組み合わせが消費者に受けているという。

また、8月に国内で新規登録されたプラグインハイブリッド車とEVのうち、40%が個人、37%が法人による登録だった。ミュラー会長は個人向けが増えていることについて、「環境ボーナス(Umweltbonus)」のうち、政府分補助額を倍増する支援策『イノベーション・プレミアム』を7月から実施していることが寄与している」とした(2020年7月15日記事参照)。実際に、8月の「環境ボーナス」申請件数は2万2,784件となり、制度導入以来、単月で過去最高だった7月の申請件数1万9,993件(2020年8月13日記事参照)を大きく上回った。

8月に国内で新規登録されたプラグインハイブリッド車とEVのうち、64%をドイツメーカーが占めた。この割合は前年同月比で8ポイント上昇している。VDAはこの要因として、ドイツメーカーによる70を超える低排出ガス車のモデルラインアップが寄与したと分析している。ミュラー会長によると、低排出ガス車市場がさらに拡大するためには、充電施設の拡充がカギになるという。

(クラウディア・フェンデル、高塚一)

(ドイツ)

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