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中銀が政策金利を4.5%に、2016年秋以降で最低の水準

(メキシコ)

メキシコ発

2020年08月17日

メキシコ中央銀行は8月13日、銀行間翌日物金利の誘導水準(政策金利)を50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き下げて4.50%とした。2020年に入ってからの利下げは6回目で、2019年末時点の7.25%から275bpも引き下げられたことになる。

中銀は8月13日付のプレスリリースPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で、前回の利下げ時と同様に、引き下げの理由を新型コロナウイルスの世界的流行による経済への打撃と金融危機とし、「生産活動の段階的再開と国際貿易の需要の回復により一定の改善がみられたものの、依然として厳しい経済状況が続いている」とした。実際に、製造業では6月の鉱工業生産指数が季節調整済み前月比で26.72%増加し、貿易額では輸出が5月の180憶6,977万ドルから、6月には330憶7,647万ドル(速報値)に増加するなど回復はみられるものの、2020年第2四半期の実質GDP成長率は、速報値で前期比年率マイナス53.2%と歴史的な後退を記録した(2020年8月3日付記事参照)。他方、消費者物価指数をみると、2020年6月は前月比0.55%、7月は0.66%と上昇傾向にあり、7月の前年同月比上昇率は3.62%となったが、中銀は「3%を上回る水準ではあるが、中・長期的には比較的安定的に推移している」との見方を示した。

一方、雇用環境も深刻なダメージを受けている。7月末時点の社会保険庁(IMSS)に登録されている正規従業員数は1,949万5,952人で、感染拡大前の2月末時点と比べると111万7,584人少ない。メキシコでは非正規就労率(インフォーマルな就労形態の労働者)が5割強を占めるが、非正規就労を含むデータとしては、国立地理情報統計院(INEGI)が実施した電話調査がある。同調査によれば、2020年6月の調査時点で年齢が15歳以上の非就労者で就労意欲があるが求職活動を中止していた者のうち、約440万人が2020年第2四半期に失業、退職または廃業した。しかし、経済界から出された雇用確保のための要望(2020年4月9日記事参照)に、現政権が応える兆しはない。

10会合連続の利下げで、政策金利は2016年秋以来最低の水準となったが、経済を再活性化するためには不十分というのが専門家の見方だ。経営や投資判断のための統合ソリューションを提供する、ムーディーズ・アナリスティックスのアルフレド・コウティーニョ氏は「雇用が失われ、事業の操業が難航している状況では利下げが実現しても貸し付け需要が少なく、恩恵は限定的だ」と述べた。(「レフォルマ」紙8月13日)。新型コロナウイルス感染の終息がみられず、今後も利下げを求められる見込みだが、今回の政策金融会合では1人の理事が25bpの引き下げにとどめるべきとして反対票を投じており、利下げが今までのペースで続くかは不透明な状況だ。

(松本杏奈)

(メキシコ)

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