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経済界が今後90日間の雇用・収入保護のための国家的合意を呼び掛け

(メキシコ)

メキシコ発

2020年04月09日

日本の経団連に相当するメキシコの企業家調整評議会(CCE)は4月7日、今後90日間の雇用、給与、世帯収入を保護するための国家的な合意を政府、企業家、労働組合、社会団体に呼び掛け、具体的な対策の導入を促した。中小零細企業を支援することに重点を置いており、民間企業が自発的に導入できる対策についても盛り込んでいる。

今回の対策は、アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)大統領が4月5日に発表した経済活性化策に失望した経済界(2020年4月7日記事参照)が、国全体を巻き込んで今後90日間の経済対策の議論を進める目的で、CCEに加入する12の経済団体から約4,000人の企業家が、インターネットで接続したビデオ会議の場で発表されたもの。対策は、(1)雇用保護、(2)経済活性化、(3)民間部門による中小零細企業支援、の3分野でまとめられ、(1)については、4月と5~6月の対策に分け、また、正規労働者とインフォーマル労働者に分けて策定している(添付資料参照)。

雇用保護については、企業が労働者との合意に基づき実施できるものや、民間企業間で完結できる対策も含まれているが、多くは政府の協力が必要になる。経済界としては、中小零細企業のキャッシュフローを支援するため、税金や社会保険負担金の支払いの繰り延べを継続して求めている。また、経済活性化についてはAMLO政権の4大プロジェクトのみならず、各州で大規模なインフラプロジェクトを官民合同で進めることなどを提案している。さらに、中小零細企業支援としては、サプライヤーに対する支払いの迅速化や前倒し、迅速かつ簡素なファクタリング制度の構築など、中小零細企業の資金繰りを支援する民間部門の対策が盛り込まれた。なお、政府の財源としては、他国の経済対策に倣い、債務を多少拡大させてでも野心的な対策を導入すべきとしている。

AMLO大統領の方針転換はみられず

CCEは、上記の対策を採用した場合、2020年の経済成長率はマイナス2.5%から±0%の範囲に収まるが、採用されない場合はマイナス7~10%まで落ち込むとしている。野心的な対策がない場合は、インフレや為替などの経済指標も悪化し、2020年の正規雇用は最大で100万人減少するとしている。4月5日に発表した経済活性化策により、今後9カ月で200万人の雇用を創出するというAMLO大統領の非現実的ともいえる見通しとは対照的だ。

CCEの呼び掛けを受けても、AMLO大統領の方針は変わらない。4月8日の早朝記者会見では、貧しい層を支援するために企業は税金や社会保険負担を支払うべき、と従来の主張を繰り返し、逆に、大企業15社が税金や罰金などを支払っていないため、CCEのカルロス・サラサール会長を通じて速やかに支払うことを説得すると語っている。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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