EU・ユーロ圏の6月の失業率、ともに0.1ポイント悪化

(EU、ユーロ圏)

ブリュッセル発

2020年08月04日

EU統計局(ユーロスタット)の2020年7月30日の発表によると、6月のEU27カ国全体とユーロ圏19カ国の失業率(季節調整済み)は、前月からともに0.1ポイント悪化し、それぞれ7.1%、7.8%となった(添付資料表参照)。EUでは、多くの加盟国で6月から新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う各種制限措置が段階的に緩和されたものの、失業率の改善にはつながらなかった。失業者数は、前月比ではそれぞれEU全体で28万1,000人、ユーロ圏では20万3,000人の増加となった。

6月の失業率を加盟国別にみると、チェコが2.6%と最も低く、スペインが15.6%と最も高かった。

失業率が前月から0.5ポイント以上悪化した加盟国は、スウェーデン(1.3ポイント増)、ポルトガル(1.1ポイント増)、オランダ(0.7ポイント増)、イタリア(0.5ポイント増)、の4カ国だった。

ユーロスタットによると、新型コロナウイルスに関連した制限措置を受けて、2020年3月以降、失業手当の申請件数が急激に増加した。なお、一部の国で「コロナ危機」の実態とは異なる値となる要因について、ILOが定義する失業者と実際の失業者数の間に不一致が生じているためと説明している(2020年5月8日記事参照)。「コロナ危機」がEU労働市場に及ぼした影響の詳細は、四半期ごとに公表される「労働力調査(LFS)」を参照のこと(2020年7月14日記事参照)。

EU27カ国の6月の若年層の失業者数は、296万2,000人で、このうち236万人がユーロ圏19カ国の失業者だった。若年層の失業者数の変化を前月比でみると、EU27カ国全体では12万4,000人、ユーロ圏では8万人の増加となった。

加盟国別にみると、フランス(62万7,000人、若年層失業率:21.2%)、スペイン(51万4,000人、40.8%)、イタリア(36万人、27.6%)が引き続き大部分を占めた。イタリアとスペインでは、若年層失業率が前月からそれぞれ2.0ポイント、1.7ポイント悪化したものの、フランスでは0.2ポイント改善した。

若年層失業率が最も低かったのはドイツ(5.6%)で、最も高かったのはスペインだった。

(大中登紀子)

(EU、ユーロ圏)

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