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欧州議会、EU中期予算案の改善を要求

(EU)

ブリュッセル発

2020年07月28日

欧州議会は7月23日に本会議を開催し、21日に特別欧州理事会(EU首脳会議)で合意した2021~2027年の次期中期予算計画(多年度財政枠組み:MFF)案の改善を求める決議PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を採択した(賛成465、反対150、棄権67)。決議では「欧州議会とEU理事会(閣僚理事会)の交渉を通じて十分な合意に達するまで、MFFへの同意を差し控える用意がある」とし、そのままでは受け入れられないとの姿勢を示した。

中期予算に拒否権を有する欧州議会

首脳間で合意した復興パッケージ(2020年7月21日記事参照)は、次期MFF(1兆743億ユーロ)と復興基金「次世代のEU」(7,500億ユーロ)からなる。欧州議会がそのうちMFFの見直しを求めているのは、同議会がMFFの成立に対する実質的な拒否権を有するためだ。MFFの採択には、EU立法手続きの中でも欧州議会の権限が強力な「同意手続き」(注)が適用される。これに対し、EUが金融市場から資金調達を行う復興基金では全加盟国の批准が求められるが、欧州議会の権限は限られている。

欧州議会は、首脳間で合意したMFF案では、EUの各種政策プログラム、例えば、研究開発支援枠組み「ホライズン・ヨーロッパ」や投資促進策「インベストEU」、化石エネルギー関連産業から新産業への移行を支援する「公正な移行基金」、将来の保健衛生上の危機に対処する「EU・フォー・ヘルス」などの予算が不十分だと主張する。5月27日の欧州委員会提案(2020年5月28日記事参照)に比べると、首脳間の合意では、加盟国の「新型コロナウイルス危機」からの復興支援が強化された半面、上記プログラムの予算規模が全体的に圧縮されている。

欧州理事会のシャルル・ミシェル常任議長は23日の欧州議会本会議で、欧州理事会の合意について報告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを行い、「MFFと復興基金を一体としてとらえ、現状と比較した場合、さまざまな分野で追加的な資金が投入されることになる」と説明して理解を求めた。

欧州議会決議では、次期MFFが2021年初から始動するには「遅くとも10月末までに合意に達する必要がある」としつつ、それまでに次期MFFが採択されない場合は、EU条約に基づき2020年のEU予算枠組みを継続する選択肢もあるとし、対決姿勢を強調している。

(注)同意手続きでは、欧州議会は立法提案に対する拒否権を有するが、修正提案を行うことはできない。

(安田啓)

(EU)

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