7月第3週の新型コロナ警戒信号は発表されず、当面は同じ色継続

(メキシコ)

メキシコ発

2020年07月13日

メキシコ保健省は7月12日、各州で同月第3週(13~19日)に適用される新型コロナウイルス感染警戒信号(2020年5月15日記事6月2日記事6月15日記事参照)を発表しなかった。その理由として、一部の州の情報に不備があり、信号の色を判断できないことを挙げている。当該の州政府との確認作業が終わり次第、信号の色を発表するが、それまでは7月第2週の色(2020年7月6日記事参照)を引き続き適用する。

メキシコ市では一部の居住区に赤信号を適用、ハリスコ州は「緊急ボタン」制度導入

首都メキシコ市では6月29日以降、信号の色がオレンジとなり、「不可欠な活動」以外の経済活動も段階的に再開されている(2020年6月29日記事参照)。しかし、一部の商店や露天商、市民などが衛生措置を守らず、感染が再び増加している地区もある。そこで、クラウディア・シェインバウム市長は7月10日、市内の新規感染件数の約20%を占める居住区(Colonia)の新型コロナ警戒信号を赤とし、15日から最低でも15日間は露天商や青空市場などの操業を禁止する。この措置により自宅待機する商業従事者には低利融資制度などで支援するほか、感染者が発生した家庭に対して家族全員が自宅待機を可能にする経済支援を提供する。また、それらの地区内に簡易診療所を設置し、症状の診断や検査数を増やすことで感染者の早期把握に努める。12日にシェインバウム市長はフェイスブックで、最初に赤信号を適用する34の居住区外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。

メキシコ第2の都市グアダラハラがあるハリスコ州は7月9日、州官報で同月6、7日に開催した経済再開委員会・保健特別部会の採択事項を公示し、新型コロナウイルス感染が急拡大した際に経済活動を14日間停止させる「緊急ボタン」制度を導入したと発表した。緊急ボタンが押されると、保健・医療や食料供給以外の経済活動が全て停止されるが、その発動条件としては、(1)病床利用率が50%以上、あるいは、(2)100万人当たり発症者の週平均値が400人以上になった場合だ。連邦保健省のデータによると、7月11日時点でハリスコ州の病床利用率は一般病床が25%、人工呼吸器付き病床が26%、また、同州の過去最多の発症者数は6月19日の232人(100万人当たり28人)のため、短期的に緊急ボタンが押される可能性は低い。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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