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上半期の実質GDP成長率はマイナス1.6%、第2四半期はプラス成長

(中国)

北京発

2020年07月27日

中国国家統計局の7月16日の発表によると、2020年上半期の実質GDP成長率は前年同期比マイナス1.6%と、同年第1四半期(1~3月)の同マイナス6.8%から5.2ポイント上昇した。四半期別でみると、第2四半期(4~6月)は3.2%となり、プラス成長を回復した(添付資料図参照)。

上半期の投資(全国固定資産投資、農業を含まず)は前年同期比3.1%減、うち、インフラ投資は2.7%減、民間投資は7.3%減となった。消費(社会消費品小売総額)は11.4%減と2桁減だったが、インターネット上の実物商品小売額(注1)は14.3%増と好調で消費全体の25.2%を占めた。工業生産増加額(付加価値ベース)は1.3%減と減少幅が前期より縮小した(注2、添付資料表参照)。

統計局の劉愛華報道官は、雇用と物価の安定、ハイテク製造・サービス業の投資の増加、市場マインドの改善などにより、中国経済は新型コロナウイルスによる不利な影響を徐々に克服して復興を果たしたと評価した。一方、新型コロナウイルスの影響で2020年の雇用圧力は比較的大きく、6月の専門学校・大学卒業以上の20~24歳の調査失業率が19.3%となったことなど、特に一部の年齢層に対する雇用圧力が突出していることなどを指摘しつつ、新型コロナウイルスによる損失はまだ完全には回復しておらず、経済を正常な軌道に戻すには依然として困難と努力が必要との認識を示した。2020年下半期については、新型コロナウイルス流行期間中に生まれたオンライン教育などの新ビジネスモデルやデータ経済などの新産業が成長を下支えすると期待を示した。

国家信息中心の祝宝良首席エコノミストは、第2四半期は政府による民生・医療などの分野への公共サービス支出の増加などによって予想以上の成長を遂げたと指摘し、今後はインフラと不動産に対する投資が下支えすることで、通年では2.5%程度の成長となると予測した。また、中国人民大学の劉元春副校長は、特別国債(注3)、専項債(地方特別債、注4)などの政策が下半期に全面的に実施されるため、こうした積極的な財政政策が成長率を約0.8ポイント押し上げるほか、預金準備率引き下げなど金融面の企業支援や外需の回復を見込むと、第3(7~9月)、第4四半期(10~12月)に経済復興が加速し、通年で3%前後の成長率となると見通した。他方、劉氏は有効需要の不足が課題と指摘しており、「両新一重」(注5)や老朽住宅改造などの民生プロジェクトに対する投資に注力しつつ、自動車など重点産業に絞った消費促進策も継続すべきとしている(「21世紀経済報道」7月17日)。

(注1)インターネット小売額は、実物商品と非実物商品(バーチャル商品、サービス)の販売額に分かれており、非実物商品の販売額は社会消費品小売総額には含まれない。

(注2)2020年上半期の貿易動向については2020年7月17日記事を参照。

(注3)李克強首相は5月の全人代における政府活動報告で、1兆元(約15兆円、1元=約15円)分の特別国債を発行し、財政赤字額の増加分と合わせ、計2兆元を地方経済の支援に充てると表明していた。2兆元は地方の末端行政機関に交付され、地方の公衆衛生などに関するインフラ建設や新型コロナウイルス対策関連費用などに用いられる(2020年6月23日記事参照)。

(注4)5月の全人代で、専項債発行額を前年から1兆6,000億元増の3兆7,500億元とし、調達した資金は新型インフラ施設〔次世代情報ネットワーク、第5世代移動通信システム(5G)応用、充電設備建設など〕整備などに用いるとされた。

(注5)新型インフラ施設、新型都市化、交通・水利などの重大プロジェクトなどを指す。

(小宮昇平)

(中国)

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