正常化に向け新型コロナ制限措置を緩和、企業支援基金の運用開始

(コートジボワール)

アビジャン発

2020年05月19日

コートジボワールのアラサン・ワタラ大統領が主宰する国家安全保障理事会(CNS)の会議が5月14日に開かれ、大アビジャン圏の正常化に向け、新型コロナウイルス感染対策として3月から実施している制限措置の段階的緩和を決議した。国内全土に及ぶ非常事態宣言と大アビジャン圏の封鎖(ロックダウン)は5月31日まで継続するほか、陸・海・空の国境封鎖も当面維持するが、夜間外出禁止令は15日をもって解除した(大統領府ウェブサイトCNSコミュニケ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

また、マスクの着用、定期的な手洗い、対人距離の確保などの予防対策厳守の下、15日からレストランの閉鎖を解除したほか、集会の人数制限を50人から200人に緩和した。政府はこれらの措置と合わせ、3月17日から一斉休校措置を取っていた全ての幼稚園、小学校、中学校、高等教育機関を25日から再開する。バーやディスコ、映画館、劇場については、5月31日まで閉鎖を維持する。

今回の措置に先立ち、大アビジャン圏を除く国内全土では5月8日から、予防対策の厳守を条件にほぼ全ての制限措置を解除した。圏外の都市や地域では4月21日以降、感染者は確認されていない。

なお、夜間外出禁止令の解除に伴い5月18日から行政機関の業務時間帯が午前7時30分~午後0時30分、午後1時30分〜同4時30分へと正常化される。

ワタラ大統領は4月7日の新型コロナ感染対策に関する国民への演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、政府が感染の影響を緩和するため導入した1兆7,000億CFAフラン(約26億ユーロ、1CFAフラン=約0.00153ユーロ)規模の経済・社会・人道支援策の運用を開始したことを発表した(2020年4月20日記事参照)。これまでに連帯基金500億CFAフラン、中小企業支援基金400億CFAフラン、大企業支援基金300億CFAフラン、インフォーマル分野支援基金200億CFAフラン、農業分野支援500億CFAフラン(うち食糧農産品100億CFAフラン)など、一連のメカニズムに1,900億CFAフランを投入したという。

また、現地報道によると、政府は企業のキャッシュフローを支援するため、国の企業に対する債務履行を優先しており、4月~5月11日時点で1,390億CFAフランが支払われた。

コートジボワール保健省によると、5月15日時点で確認されている新型コロナウイルス感染者数は累計2,017人で、うち942人が回復、24人が死亡している。

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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