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経済支援のため財源確保に年金基金の資金を充当、さらに金融緩和も

(ノルウェー)

ロンドン発

2020年05月20日

ノルウェー政府は5月12日、新型コロナウイルス感染拡大により増加した国家財政の補強を目的とする2020年度の修正予算案外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。歳入は、前年比12.2%減の1兆2,350億クローネ(約13兆910億円、1クローネ=約10.6円)にとどまる一方、歳出は、17.3%増の1兆6,168億クローネとなる見込み。一時解雇に伴う給与支払いに対する補助や売り上げ減少企業への助成金、資金繰り支援のための融資などに対する支出が増加したほか、総合病院に対する60億クローネの予算増額、空港管理会社Avinorなどを含む国営会社への資金援助、デジタル教育への投資増額などが含まれた。

財源確保のため、今回の修正予算案では、石油・ガス事業の収入積み立てで運営される世界最大級の政府系ファンド・政府年金基金から3,818億クローネを引き出すなど、石油関連の歳入から約4,200億クローネを充てる。政府は、2020年の実質GDP成長率は前年比4.0%減、失業率は2019年の2.2%から5.9%に上昇する可能性が高いと予測している。

金融面では、ノルウェー中央銀行が5月7日、3月に2度にわたり引き下げた政策金利(2020年4月28日記事参照)を、0.25%から過去最低の0%に引き下げた。中銀は利下げの背景として、新型コロナウイルス流行に加えて、世界的な原油需要の落ち込みによる原油価格の下落と、それに伴う通貨クローネの下落により、景況が悪化していることを挙げている。オイスタイン・オルセン総裁はこれ以上の金利引き下げの可能性を否定しながらも、当分の間は0%の金利政策を続けるとしている。

追跡アプリの利用は低迷

感染拡大防止のための外出規制などは、4月より段階的に緩和されているが(2020年4月27日記事参照)、政府は5月7日にさらなる緩和方針外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表。夏までに可能な限り多くの経済社会活動を再開することを目標に、5月11日から全ての教育機関を再開し、6月1日からは食品を提供しないバーなどを再開、さらに6月15日からは50~200人規模のイベントの開催を認める。

感染予防にも余念はない。4月16日に供用を開始したノルウェー公衆保健研究所(FHI)が開発した感染追跡アプリ「Smittestopp外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」は、5月11日時点のダウンロード数が人口約537万人の3割弱に当たる153万7,172件に達している。ただ、翌12日時点での利用者数は68万9,421人と人口の13%弱にとどまっており、政府の期待には届いていない。

(杉田舞希)

(ノルウェー)

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