新型コロナで一時解雇者の給与全額支給など経済対策を強化

(ノルウェー)

ロンドン発

2020年04月28日

新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた国内の事業者や就業者を支えるため、ノルウェー政府は3段階の経済対策を実行する。第1段階として、一時解雇対策と企業の倒産回避に重点を置いた措置を3月13日から20日にかけて発表。第2段階では、新型ウイルス流行で特に影響を受けている企業や被雇用者やその家族に対する支援策などを3月27日と4月3日に発表している。今後、より深刻な経済後退に陥った場合は、第3段階としてより広範囲的な支援策を導入する予定だ。

政府によると、4月3日までに発表された経済対策の予算総額は、1,390億クローネ(約1兆3,900億円、1クローネ=約10円)を超える規模で、GDP比で4.6%に相当する。これまでに発表されている対策は添付資料表のとおり。

金融面では、ノルウェー中央銀行が3月13日に政策金利を1.50%から1.00%に引き下げ、3月20日にはさらに過去最低の0.25%まで引き下げた。財務省も3月13日、銀行与信拡大のため、カウンターシクリカル資本バッファー(CCyB)(注)を2.5%から1.0%に引き下げている。

なお、3月28日までの2週間の失業手当申請数は、27万4,000件に達している。ノルウェー労働福祉局によると、3月24日時点で労働人口の10.4%に当たる29万1,000人が完全失業者として登録されており、2週間前の2.3%と比較すると約5倍に急増している。

(注)景気変動による損失に備えて、銀行が積み上げるべき資本の水準。

(杉田舞希)

(ノルウェー)

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