自動車産業の操業再開に向けた安全衛生指針を発表

(メキシコ)

メキシコ発

2020年05月19日

メキシコ政府は5月18日、新たに「不可欠な活動」と見なした建設や鉱業、輸送機器製造に関連する活動の操業再開に向けた指針PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を発表した。それによると、各事業所が指針に従って衛生プロトコルを策定した後、所定の専用ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで安全衛生チェックリストの自己評価を行うとともに、誓約書を社会保険庁(IMSS)に送信することとなる。IMSSからは72時間以内に操業開始の承認や追加情報要求、あるいは却下の通知が来る。

今回の指針は、新たに「不可欠な活動」となった3業種(2020年5月15日記事5月18日記事参照)については採用を義務付けており、従来から「不可欠な活動」と見なしていた事業所にとっては参考資料となる(指針第1条)。建設や鉱業、輸送機器製造に関連する活動を行う事業所は専用ウェブサイトで「安全衛生プロトコル自己評価」に答えるとともに、企業や責任者のデータを入力し、誓約書をIMSSに送信する必要がある。複数の事業所を有する企業は事業所ごとに登録が必要(指針第2条)。

IMSSはデータ受信後に受領通知を送信するが、最終結果(承認、追加情報要求、却下)は72時間以内にE-mailで企業に送る(指針第3条)。追加情報要求をする場合、IMSSは自己評価シートの確認内容と異なる点についても情報を要求することができ、また、各企業が策定した衛生プロトコル全体を文書として要求できる。操業再開を却下した場合は、各事業所が策定した安全衛生プロトコルをIMSSのE-mailアドレス(nuevanormalidad@imss.gob.mx)に送付して分析してもらうことで、許可申請プロセスをやり直すことができる(指針第4条)。

自己評価チェックリストは企業規模に応じて異なる

専用サイトで自己評価を行う際の確認リストは全78項目(注)から成る(添付資料参照)が、企業規模(零細・小規模、中規模、大企業)に応じて評価項目が異なり、零細・小規模企業の場合は51項目、中規模企業は71項目、大企業は78項目が対象となる。なお、メキシコの事業所規模分類は、零細・小規模企業が従業員30人以下(商業)、あるいは50人以下(サービス業と工業)、中規模企業が31~100人(商業)、あるいは51~100人(サービス業)、51~250人(工業)、大企業が101人以上(商業とサービス業)、あるいは251人以上(工業)となっている。

操業再開申請後、IMSSが追加情報を要求する場合、あるいは申請を却下した場合は、IMSSが企業の作成した安全衛生プロトコルを文書として要求する可能性が高いため、各企業は専用サイトでの自己評価だけでなく、公表された政府指針やIMSS、保健省の資料などを参考に、自社の安全衛生プロトコルを文書として策定しておく必要があるだろう。

(注)リスト上では79項目あるが、共有スペースの自然換気の活用についての項目の重複(中規模企業と大企業の場合)があるため、実際の確認事項としては78項目。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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