企業の景況感が最低を記録、中央銀行が発表

(フィリピン)

マニラ発

2020年04月14日

フィリピン中央銀行(BSP)は4月8日、2020年1~3月(第1四半期)の企業景況感指数(注)が22.3となり、前期(2019年第4四半期)の40.2から17.9ポイント減となったと発表した。調査を開始した2015年以降最低となった。

BSPは大幅減少の理由として、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)およびアフリカ豚熱(ASF)の国内感染拡大、マニラ首都圏近郊のタール火山の1月の火山活動活発化(2020年1月14日記事参照)、米国との訪問部隊地位協定(VFA)の2月の破棄通告(2020年2月13日記事参照)による景況マインド悪化などを挙げた。

企業景況感指数を業種別にみると、農林水産業が最も低くマイナス12.4となり、以下企業景況感指数が低い順に鉱業採石業(6.1)、運輸業(10.7)、製造業(16.1)、地域・社会サービス業(18.4)、ホテル・レストラン業(21.0)、卸売・小売業(22.3)、商業(23.1)、不動産業(28.0)、電気・ガス・水(28.0)などとなった。地域別にみると、マニラ首都圏の企業景況感指数は23.2、マニラ首都圏以外の地方は20.4だった。

ビジネス上の制約について、最も多くの企業が挙げたのは他社との競争(46.8%)だった。以下、多い順に需要の低さ(27.6%)、高い金利(16.5%)、不透明な経済法(11.9%)、財政問題(10.8%)、労働者問題(9.4%)などとなった。

(注)景況感が改善したと回答した企業の割合から悪化したと回答した企業の割合を引いた数値。2020年1月24日から3月13日の期間中に1,533社(マニラ首都圏587社、その他地方946社)を対象に調査。国内市場志向型企業が67.0%、国内および海外市場志向型企業が11.2%、輸入企業が9.8%、輸出企業が5.6%、その他6.5%。従業員数内訳は、500人以上が14.2%、100~499人が31.1%、100人未満が40.4%、不回答14.3%。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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