マニラ近郊の火山噴火で空港一時閉鎖、首都圏は休業、日系工場も一時操業中止

(フィリピン)

マニラ発

2020年01月14日

マニラ首都圏の南方約60キロに位置するタール山(標高311メートル)が1月12日、噴火活動を活発化させた。気象当局は危険な爆発的噴火が発生する恐れがあるとし、噴火警戒レベルを4(危険な噴火が差し迫った状態)に引き上げた。フィリピン政府はタール山からの退避勧告と、火口から半径14キロ以内の火砕流や火山津波の危険性が高い地域からの避難指示を出し、付近住民は避難を始めた。

マニラ首都圏のニノイ・アキノ国際空港(NAIA)は同日、火山灰などにより民間航空機に危険をもたらす可能性があるとして、離着陸を一時的に停止したと発表し、日本便を含めて欠航が生じた。在フィリピン日本大使館も在留邦人に注意を呼び掛けており、被害に遭った場合には大使館の問い合わせ窓口(注)まで連絡するよう求めている。

フィリピン政府は1月13日はマニラ首都圏とカラバルゾン地方、中部ルソンなどの政府系機関を休業、学校を休校にすると発表。首都圏の上空では1月13日正午時点で噴煙のため視界が悪い状況だ。日系企業の工場の多くが立地するカラバルゾン地方はタール山からも近く、自動車が走行すると灰が道路を舞っている。同地方の日系企業の多くは1月13日に工場を休業した。

写真 火山灰が堆積するカラバルゾン地方の状況(1月13日、ジェトロ撮影)

火山灰が堆積するカラバルゾン地方の状況(1月13日、ジェトロ撮影)

写真 火山灰が上空を覆うマニラ首都圏の様子(1月13日、ジェトロ撮影)

火山灰が上空を覆うマニラ首都圏の様子(1月13日、ジェトロ撮影)

(注)在フィリピン日本大使館問い合わせ窓口

  • 住所:2627 Roxas Boulevard, Pasay City, Metro Manila, 1300, Philippines
  • 電話:(市外局番02)8551-5710、【邦人援護ホットライン】(市外局番02)8551-5786
  • FAX:(63-2)8551-5780
  • ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます:https://www.ph.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

(坂田和仁)

(フィリピン)

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