非労働日を4月末まで延長

(ロシア)

モスクワ発

2020年04月03日

プーチン大統領は4月2日、国民向けの緊急演説を行い、3月28日から導入している非労働日を4月30日まで延長すると発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連の国民向け緊急演説は3月25日(2020年3月26日記事参照)に続けて2回目。首都モスクワを中心にロシア国内のCOVID-19拡大が収まらない事態を考慮してのもの。

連邦消費者権利保護・福利監督局(ロスポトレブナドゾル)によると、非労働日導入初日の3月28日時点の感染者数は1,264人。その後、モスクワ市やサンクトペテルブルク市などの大都市を中心に外出禁止令が導入(2020年3月30日4月1日記事参照)されたが、4月2日時点で3,548人まで増加した。

ビジネスへの影響は深刻だ。3月半ばから市民はCOVID-19感染を懸念して外出を控える傾向にあり、さらに3月末からの非労働日導入や外出禁止令により、特に飲食店やホテル、非食品小売店、航空会社、旅行代理店などは売り上げが急激に落ち込んでいる。

飲食店はデリバリーサービスへの切り替え(2020年3月30日記事参照)などの対策を講じているが、ロシア・レストラン・ホテル産業連盟の試算によると、外出禁止令が終了(現時点では時期未定)しても9割近くの飲食店が営業を再開できない可能性がある(「ベドモスチ」紙3月31日)。航空業界でも需要の減少から、国内便の減便や運航停止の動きがある(2020年4月1日記事参照)。

在ロ日系企業の活動にも支障が出ている。4月1日に在ロシア日系企業を対象にジェトロが実施した外出禁止令やCOVID-19拡大の影響に関するアンケートでは、外出禁止令により「商品出荷ができず実質的にビジネスが停止している」「工場の操業停止により取引先企業の生産が停止する恐れがある」といった声があがった。また、有給による非労働日の導入により、業務遂行や人事面の対応に苦慮する企業も多い。

(戎佑一郎)

(ロシア)

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