4月23日から地域ごとに外出制限措置を緩和

(ベトナム)

ハノイ発

2020年04月23日

グエン・スアン・フック首相は4月22日、全国63省・市に対する新型コロナウイルス感染リスクの地域分類を変更した。ハノイ市内の一部など感染リスクの高い特定の地区を除き、4月23日から地域ごとに外出制限措置を緩和する方針だ。

ベトナム政府は4月15日に12省・市を「感染リスクの高い地域」に指定し、それらの地域を中心に4月1日から続いている外出制限措置を、少なくとも4月22日まで延長すると決めていた(2020年4月16日記事参照)。その決定から1週間の間に、各省・市は感染防止策の見直しを実施し、新規感染者も減ったことから、多くの省・市に対する感染リスク評価が改善された。

ハノイ市内で感染者数の多い北部メリン地区や南東部トゥオンティン地区は、引き続き「感染リスクの高い地域」に指定され、首相指示16号に基づく外出制限措置(2020年4月2日記事参照)を継続する(注)。中国国境に隣接するハザン省の一部地区も直近で感染者が見つかっているため、同様の措置が取られる。

それらの一部地区を除いた、ハノイ市、ハザン省、バクニン省およびホーチミン市は「感染リスクのある地域」に指定された。ホーチミン市は市内最後の感染発覚から25日が経過しているため、「感染リスクの高い地域」の適用を外れたが、多くのリスク要因が潜在する大都市であるため、「感染リスクのある地域」に指定された。同地域では、必要な製品・サービス以外の店舗再開を含む外出制限措置の実施と緩和について、各省・市の人民委員長が責任をもって決定する。

その他の59省・市は「感染リスクの低い地域」に分類された。同地域では基本的に店舗の再開などが認められる方針だが、各省・市の人民委員会が独自に制限措置を打ち出す場合もある。また、店舗の再開にあたっては、対人の間隔を確保するなど、店主が感染予防策実施の責任を負う。

ベトナムの感染者数は4月22日時点で268人(そのうち、死者0人、治癒223人)。直近6日間で新たな感染者は報告されていない。

(注)メリン地区にはクアンミン工業団地が含まれるなど、複数の日系企業が立地している。ただし、首相指示16号に基づき、感染防止策を講じれば、基本的に製造業は操業を続けられる。

(庄浩充)

(ベトナム)

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