ハノイやホーチミンは外出制限措置を4月22日まで延長

(ベトナム)

ハノイ発

2020年04月16日

グエン・スアン・フック首相は4月15日夕刻、ハノイ市やホーチミン市、ダナン市を含む12省・市を新型コロナウイルスの「感染のリスクの高い地域」に指定し、4月1日から15日間続いている外出制限措置を、少なくとも4月22日まで延長することを決定した。今後の感染状況などによっては、期間をさらに4月30日まで延長する可能性もある。

今回の決定では、全国63省・市を感染リスクに応じて3つのグループに分類し、それぞれ対応方針を定めている。

「感染リスクの高い地域」に指定されたのは、北部ではハノイ市、ラオカイ省、クアンニン省、バクニン省、ニンビン省、中部ではダナン市、クアンナム省、ビントゥアン省、カインホア省、ハティン省、南部ではホーチミン市とカンボジアに隣接するタイニン省となった。これらの省・市では首相指示16号に基づく措置の厳格な実施継続が要請され、外出や店舗営業などが引き続き制限される(2020年4月2日記事参照)

「感染リスクのある地域」に指定されたのは15省・市で、北部ではハイフォン市、ハナム省、ナムディン省、タイグエン省、ランソン省、中部ではトゥアティエン・フエ省、ゲアン省、南部ではカントー市、ビンズオン省、ドンナイ省、キエンザン省、ソクチャン省、ドンタップ省、ビンフォック省、アンザン省。これらの省・市では、首相指示15号と16号に基づく感染防止措置が求められながらも、一部の店舗営業などは再開も検討される。

上述以外の36省は「感染リスクの低い地域」に分類される。

これらの分類は、交通インフラ、交通量、国境、外国人の往来状況、人口密度、工場や工業団地の密集具合などのリスク要因に基づいて決められ、今後地域分類が変更される可能性もある。また、リスクの度合いに限らず、全ての地域を対象に、公共の場などでのマスクの着用、大人数が集まることの回避、2メートル以上の間隔確保など、引き続き感染防止策を実施することが求められている。

ベトナムの感染者数は4月15日時点で267人(そのうち、死者0人、治癒170人)。入国制限や外出制限措置、クラスターの封鎖などの対策を実施しており、4月の新規感染者数は減少傾向にある。直近1週間では1日当たり平均2人程に落ち着いているが、政府は感染が終息するまで慎重に行動するよう国民に促している。

(庄浩充)

(ベトナム)

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