華東地域の日系企業、内外の需要減への懸念高まる

(中国)

上海発

2020年04月13日

中国における新型コロナウイルス感染拡大の防止措置の重心は現在、国外からの流入をいかに食い止めるかに移っており、中国国内では上海市をはじめ経済の正常化が急速に進んでいる(2020年3月23日記事参照)。

華東地域日商倶楽部懇談会(注)では、会員企業に対して4月1日から6日まで事業再開などの状況PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を確認したところ、会員企業710社から回答を得た(添付資料参照)。

「事業再開の状況」(表1参照)については、前回調査と比較すると操業率は上昇し、「ほぼ100%」「100%を超える」と回答した企業の割合が6割超となった。

一方、稼働率が上昇してこない要因については(表2参照)、製造拠点の有無にかかわらず、中国国内需要(受注・来客など)と海外需要の減少、サプライチェーンの分断などの回答が多かった。

グローバルサプライチェーンの分断の影響(表3参照)については、「影響がある」との回答が6割を占め、その中では日本のほかASEANや欧州などとの回答が多かった。

「サプライチェーンや拠点の変更を行う計画」(表4参照)についての質問では、約9割が「変更計画はなし」と回答した。一方、変更するとの回答の中では、「日本」あるいは「中国国内に移す」との回答が相対的に多かった。

「2020年の収益見込みへの影響」(表5参照)については、10%超のマイナスの影響があると回答した企業が6割強を占めた。また、約3割の企業が21%以上のマイナス影響を受けるとの見通しを示しており、今後の収益への影響を懸念する向きが強い。一方、「ほとんど影響なし」や「プラスの影響」を受けると答えた企業も約1割あった。

中国国内の出張については(表6参照)、製造拠点の有無にかかわらず、過半数の企業で中国国内の出張を解禁しており、出張解禁が進んでいることが分かった。

「中国政府に期待すること」についての質問では、「入国制限の早期解除」「景気刺激策の実施」「租税などの減免措置」を求める声が多かった(表7参照)。

(注)上海市、江蘇省、浙江省、安徽省内の日商クラブを構成員とする集まり。

(高橋大輔)

(中国)

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