上海市、営業操業再開の届け出を原則撤廃、経済活動の早期正常化を目指す

(中国)

上海発

2020年03月23日

1月23日の武漢市封鎖をきっかけに新型コロナウイルスの感染拡大は一気に緊張感が高まったが、ここに来て中国国内での新規感染者数は沈静化している。現在、中国における感染拡大の防止措置の重心は国外からの流入をいかに食い止めるかに移っており、上海市を始め、主要空港などにおいては主に感染者の多い国・地域からの入国者に対する厳しい隔離措置がとられている(2020年3月19日記事参照)。一方で、感染拡大の防止にならぶ重要課題は経済の正常化であり、上海市はこの2カ月間に停滞していた生産や市場をいかに迅速に回復させるかに注力している。

3月16日、上海市は企業の操業や営業再開時に義務付けていた届け出制度を一部の娯楽産業を除き撤廃する旨の通知を発表した。詳細は上海市政府のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる。

通知では、ゲームセンター、カラオケ、インターネットカフェ、美容院や大衆浴場などは即時に営業再開を認めているが、劇場、映画館、屋内プール、地下スポーツ施設の再開には依然として届け出と承認手続きが必要であるとしている。

上海市によれば、現在、市内69カ所のA級観光地の約6割(注)、博物館23館、美術館17館、図書館や文化施設33カ所が営業を再開している。

(注)中国国家観光局が定める観光地の等級。

(福田和俊)

(中国)

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