エストニア、Eラーニングの教材を世界に無償提供

エストニア教育科学省は3月16日、エストニアのEラーニングの教材を世界に無償提供することを発表した。現在、数学や外国語など8つの教材をパソコンやスマートフォンから無料で学習できる。提供する教材の情報はウェブサイトEducation Nation 99に掲載されている。

この取り組みは、エストニアでスタートアップを取りまとめるスタートアップエストニア（Startup Estonia）によってサポートされており、教育科学省や教育技術者連合など関係団体が提供している。

OECDが世界79カ国・地域の15歳の生徒を対象に2018年に行った学習到達度調査（PISA）の結果では、エストニアは「読解力」「数学的応用力」「科学的応用力」の全ての分野でアジア圏外でトップになった。エストニアの教育現場でのデジタル化がこのような結果をもたらしたとも言われている。今回無償で提供しているEラーニング教材を開発しているのはエストニアのスタートアップで、教材の中にはエストニアの教育現場で実際に利用されているものもある。

新型コロナウイルスの感染拡大により、エストニアは3月12日に非常事態宣言を発動し、全ての学校が3月16日から2週間の休校になった（2020年3月18日記事参照）。Eラーニングの導入が進んでいるエストニアでは、生徒が自宅でも学習できる環境が整っているため、教育現場では大きな混乱は起きていない。

（吉戸翼）