新たにスペインとイタリアからの渡航者に入国制限措置
(チリ)
サンティアゴ発
2020年03月13日
チリ保健省は3月11日、チリ国内の新型コロナウイルス感染者が23人に増加したと発表した。加えて前日の10日には、国内で確認された感染者の多くが帰国の直前にスペイン、イタリアへの渡航歴を持つことから、同2カ国からチリに入国するすべての渡航者に対し、14日間の自宅待機を義務付ける。同省はウェブサイトにて、毎日チリ時間の正午に感染者情報を発表しており、州別に感染者数、性別、年齢、入院医療施設が掲載されている。なお、特に感染リスクが高い諸国に分類されていたシンガポール(2020年3月9日記事参照)は、現在、同じ措置は解除されている。
新型コロナウイルス感染が今後国内で拡大することを想定し、ハイメ・マニャリッチ保健相は、アルベルト・エスピナ防衛相と会談し、冬期へ向けた医療施設の収容人数拡大などについて議論を交わした。同会談後、両大臣は新型コロナウイルスに対抗すべく、有事の際には軍事用の医療施設を開放するなど、軍による全面的な協力措置が取られることに言及した。
対ドル為替相場は観測史上最安値に
チリ中央銀行のデータによると、3月10日の対ドル為替相場は、新型コロナウイルスの拡大を受けて、観測史上最安値となる1ドル=841.06ペソ(注)に到達した。この値は、10月上旬から続く反政府デモによる影響を受け、11月15日に1ドル=800ペソ台を記録した歴史的ペソ安(2019年11月27日記事参照)をさらに更新したものとなる。
3月11日のサンティアゴ・ラスコンデス地区の両替所(ジェトロ撮影)
(注)前営業日における取引の売りと買いの仲値(中央銀行が発表)。
(岡戸美澪)
(チリ)
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