チリ国内で初の新型コロナウイルス感染者を確認

(チリ)

サンティアゴ発

2020年03月09日

チリ保健省は3月3日、国内で初の新型コロナウイルス感染者が確認されたと発表した。33歳の男性で、シンガポールやマレーシア、インドネシア、モルディブを約1カ月かけて旅行し、スペインのマドリード経由で2月25日に帰国した。帰国5日後の3月1日から呼吸器症状を自覚して医療機関で受診したところ、陽性とわかった。この男性はチリ中部のマウレ州タルカ市の病院で隔離状態されたが、健康状態が回復したため、現在は自宅待機となっている。さらに4日には、一緒に旅行していた33歳の妻も検査で陽性が確認され、国内で2人目の感染者となった。

特定国からの入国者に14日間の自宅待機推奨

チリ保健省は3月2日付で、チリ入国時の申告措置と入国後の制限措置を発表した。同日から全ての入国者に対し、過去30日間の渡航歴と健康状態を申告する義務を課しており、特に感染リスクが高い諸国(中国、韓国、イタリア、シンガポール、日本、イランなど)への渡航歴がある者に対しては、空港内で保健当局の担当者が問診を行う。加えて、上記諸国からの渡航者で症状がない者に対しても、14日間の自宅待機を推奨している。

チリでは、現在までに感染の疑いがある約500人を対象に健康状態の観察期間を設けており、そのうち約200人は観察期間が終了して通常の生活に戻っている。一方で、感染の疑いが高い、もしくは関連症状が見られる者は医療機関に搬送し、検査サンプルを採取して公衆衛生研究所(ISP)で検査している。

(岡戸美澪)

(チリ)

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