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原油安による通貨安、新型コロナウイルス封じ込め対策で経済に2重の打撃

(カザフスタン)

タシケント発

2020年03月24日

産油国カザフスタンで通貨の下落が進んでいる。新型コロナウイルスの世界的蔓延による経済の後退と、3月9日のOPECプラス会議で石油減産に向けた話し合いが決裂したことを受けて原油安が進み、通貨テンゲが急落。為替相場は政府とカザフスタン国立銀行(中央銀行に相当)の介入(2020年3月12日記事参照)で落ち着きを戻すかに見えたが、翌週3月16日、原油価格が1バレル=30ドルを割ると1ドル=430テンゲまで急落。その後も原油価格に引きずられるようにテンゲも下落し、3月19日には一時480テンゲまで下落した。その後450~460テンゲ台を維持している。

国立銀行は3月9日にドル売りの為替介入を行い、3月10日には基準金利を9.25%から12%に引き上げたが、テンゲ安を止めることができず、3月19日には首都ヌルスルタン市内のほとんどの外貨両替所でドル売りが停止した。また、国立銀行とカザフスタン証券取引所(KASE)はウェブサイト上で共同声明を掲載し、国内の為替市場への影響を抑え金融の安定性を確保するため、3月19日、20日にドル・テンゲの通貨ペア取引に一定の制限を設定した「フランクフルト・オークション」方式の取引を実施した。

今回のテンゲの下落について専門家から様々な意見が出ている。経済学者のアイダルハン・クサイノフ氏は、原油価格が1バレル=30ドルの場合、適正レートは1ドル=430テンゲの水準であるとし、国立銀行の為替介入を疑問視する。金融コンサルタントのラスール・ルスマンべトフ氏は、(新型コロナウイルスによる)非常事態宣言とテンゲの為替レート下落の企業活動への影響について、「消費財の60~70%を輸入に頼るカザフスタンは外貨を必要としており、小売りチェーンは先の見えない景気の動向を予測して商品の発注を増やすのか減らすのか判断しなければならない」と述べ、「一般市民の多くはテンゲ安により物価が上昇し生活がさらに厳しくなる」と危惧している。

カザフスタン政府は、輸出基幹産業である石油分野での原油価格の下落、新型コロナウイルスによる非常事態(2020年3月17日記事参照)、さらに大都市の封鎖(2020年3月18日記事参照)という厳しい状況下で、為替をコントロールしながら、物価の抑制と物資の安定供給を維持するという困難な問題に直面している。

(増島繁延)

(カザフスタン)

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