国内感染拡大阻止のため、ヌルスルタン市とアルマトイ市を封鎖

(カザフスタン)

タシケント発

2020年03月18日

カザフスタンのアスカル・マミン首相を議長とした国家非常事態委員会は3月17日、新型コロナウイルス防疫のため、首都ヌルスルタン市と、国内最大の商業都市アルマトイ市の封鎖を決定した。

カザフスタンは3月15日に非常事態体制に移行したばかり(2020年3月17日記事参照)だが、両市で感染者が急増しており(注)、地方都市への感染拡大を阻止するため、2つの都市を3月19日午前0時から封鎖し、追加の規制と防疫対策を導入する。

首相府の公式ウェブサイトによると、都市周辺に検問所を設置し、人と車の出入りを厳しく制限するほか、市内に幾つかの検疫区画を設け、区画ごとに住民の食料や医薬品、生活必需品などの供給管理を行う。公共交通機関の夜間営業は停止となり、日中も間引き運転あるいは営業を停止する。国内航空便も3月20日から全面運休となる。市場や大型ショッピングセンター、商店などの営業は食料品、医療品を扱う店舗を除き禁止される。一方、特別医療機関は24時間態勢で感染者や感染の疑いのある者に対応する。市内の衛生措置も強化し、大規模な消毒を行う予定だ。

カシムジョマルト・トカエフ大統領はツイッターで、公務員や準公務員の70%は休暇取得あるいは在宅勤務とすべきで、一般企業もそれに従うべきと発言している(「カズインフォルム」3月17日)。

封鎖の決定を受け、ヌルスルタン市のスーパーマーケットでは食料品を求める市民が多く、一部の店舗では商品棚が空になったところもあった。

写真 都市封鎖の発表後、スーパーで食料品を買いだめするヌルスルタン市民(ジェトロ撮影)

都市封鎖の発表後、スーパーで食料品を買いだめするヌルスルタン市民(ジェトロ撮影)

(注)3月13日に国内初の感染者が出てから、短期間で増え続けている。3月17日午後7時現在、感染者数は33人(ヌルスルタン市18人、アルマトイ市15人)、病院での14日間の隔離対象者は1,536人、自宅隔離対象者が1,094人となっている。

(増島繁延)

(カザフスタン)

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