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カナダ食品安全規則と米国食品安全強化法の違いを専門家に聞く

(カナダ、米国)

トロント発

2020年03月25日

ジェトロは3月10日、カナダおよび米国双方の食品安全法規則に詳しい専門家に、「カナダ食品安全規則(Safe Food for Canadians Regulation:SFCR)」と「米国食品安全強化法(Food Safety Modernization Act:FSMA、注1)によるヒト向け食品の予防管理規則」の違いについて話を聞いた。両国の食品安全法規則は、食品を安全に製造するという目的は同じでも、その運用における違いは多岐にわたるという。

NSFインターナショナル(本社:米国ミシガン州)は、米国やカナダで世界食品安全イニシアチブ(GFSI)認証スキームであるセーフ・クオリティー・フード(SQF)、ブリティッシュ・リテール・コンソーシアム(BRC)、グローバルGAP、FSSCの食品認証規格の認証を行い、日本企業を含め、食品企業の品質管理コンサルティングを手掛けている。同社では、カナダと米国の食品安全法規則の比較に関するウェビナーを定期開催しており、講師の1人であるテクニカル・マネージャーのジェニファー・マクリアリー氏は、両国の食品安全法規則の相違について、(1)対象品目の違い、(2)登録制とライセンス制、(3)予防管理の書面化内容、(4)予防管理計画の運営、の4点を挙げた。

(1)対象品目の違いについては、米国のFSMAを管轄する機関は食品医薬品局(FDA)で、規則の対象は同局の管理品目である乳製品、水産品、青果物、加工食品、飲料水、卵(殻付き)となり、米国農務省が管理している食肉や卵製品(液体、冷凍、乾燥)は対象とならない。一方、カナダのSFCRは、カナダ保健省およびカナダ食品検査庁が管轄しており、食肉を含めヒトが食用とする食品全般(輸出入品を含む)が対象となる。

(2)登録制とライセンス制については、米国ではバイオテロ法およびFSMAの下、食品関連施設のFDAへの登録が義務付けられ、偶数年ごとに更新が必要となったが、登録は無料なのに対し、SFCRでは、予防管理を行うことを要件にカナダ食品検査庁から有効期限2年のライセンス(注2)を付与され、取得には250カナダ・ドル(約1万9,000円、Cドル、1Cドル=約76円)を要する。

(3)予防管理の書面化内容については、FSMAでは食品安全計画(Food Safety Plan)と呼ばれ、内容はリスク分析によって定められるが、SFCRでは予防管理計画(Preventive Control Plan)と呼ばれ、7つの予防管理項目があらかじめ定められている。さらにSFCRでは、消費者保護に関する規則に対する措置を明記しなければならないという点でも違いがある。

最後に(4)予防管理計画の運営については、FSMAでは予防管理を行う際に、予防管理適格者(Preventive Controls Qualified Individual:PCQI)を設定することが求められるが、SFCRではそうした指定はない。加えて、FSMAでは、経営者、事業者、あるいは施設の代理人が作成した食品安全計画およびその更新版に署名する必要があるが、SFCRではライセンス保持者が書面化した予防管理計画を準備、維持、管理することが求められる、という表現にとどまっている。

(注1)FSMAについては、ジェトロのウェブサイト米国食品安全強化法(FSMA)概要」も参照。

(注2)カナダのライセンス制についての要件は、カナダの輸入者に対して課されるもので、日本の生産者や輸出者は対象となっていない。カナダの輸入者は食品の輸入に際してライセンスを取得する必要がある(アルコール飲料および食品添加物は対象外)。ライセンスの要件の1つとして、輸入商品の予防管理を行い、公用語である英語もしくはフランス語で予防管理計画の保管・維持が求められる。そのため、日本側事業者はカナダの輸入者が予防管理計画を作成、保管・維持するために英語もしくはフランス語による各種の書面の提出が求められることになる(2018年6月19日記事参照)。カナダの予防管理および予防管理計画の詳細については、ジェトロのウェブサイト「日本からの輸出に関する制度」を併せて参照のこと。

(飯田洋子)

(カナダ、米国)

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