インド準備銀、2会合連続で金利据え置き

(インド)

ムンバイ発

2020年02月13日

インド準備銀行(RBI、中央銀行)は2月6日、金融政策決定会合(MPC)を開催し、政策金利(レポレート)を前回に引き続き5.15%に据え置くことを全会一致で決定した。金融スタンスも引き続き「緩和的(accommodative)」を維持した。12月の前回会合は大方の予想と異なる1年ぶりの据え置きとなったが(2019年12月17日記事参照)、今回は予想どおり金利・スタンスともに据え置きとなった。

RBIはまた、今回の会合で2020年度(2020年4月~2021年3月)のGDP成長率の見通しを6.0%と発表。2020年度上期の成長率の予測値は、前回の5.9%~6.3%から5.5%~6.0%に下方修正した。2020年度第3四半期(2020年10~12月)には6.2%への回復を見込んでいる。

今回の決定は、各種指標で景気回復の兆しが見て取れるものの、前年から続く足元の消費者物価指数(CPI)の想定以上の上昇が要因となっている。前回の会合では、インフレ率の予測値を2019年度下期で4.7%~5.1%、2020年度上期で3.8%~4.0%としていたが、今回は2019年度第4四半期(2020年1~3月)を6.5%、2020年度上期を5.0%~5.4%と大幅に上方修正した。小売り部門のインフレ率は、2019年10月に4.6%、11月5.5%、12月7.4%と、2014年7月以来最も高い値を記録している。主な要因としては、2桁を超す野菜価格の上昇が挙げられる。また、食品を除いたインフレ率も、携帯電話通信料の値上げ(2020年1月7日記事参照)や燃料価格の高騰などから、2019年10月の3.4%から12月は3.8%に上昇している。一方、今後の野菜価格は、遅れて収穫された雨季作物や乾季作物が市場に出始めるため、インフレの緩和が予測されている。

なお、インドでも、中国からの入国制限などの対策が取られている新型コロナウイルスについては、「世界経済の減速による原油価格の下落」「証券市場の弱含み」「旅行者数と世界貿易の減少」に影響を与える可能性を指摘している。

(比佐建二郎)

(インド)

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