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先行的なトライアルと対外開放で上海市の国際金融センター化を加速

(中国)

上海発

2020年02月27日

中国人民銀行、中国銀行保険監督管理委員会、中国証券監督管理委員会、国家外貨管理局および上海市人民政府は2月14日、「上海国際金融センター建設のさらなる加速と長江デルタ一体化発展に対する金融面での支援に関する意見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(以下、意見)を発表した。意見は、(1)全体要求、(2)臨港新エリアでの金融の先行的なトライアルの積極的推進、(3)上海金融業の対外開放のより一層の推進、(4)長江デルタ一体化発展に対する金融面での支援、(5)セーフガードについての計30条から成る。

意見では、2019年8月に上海市の自由貿易試験区に新たに加えられた臨港新エリア(2019年8月15日記事参照)で実施する先行的なトライアルとして、商業銀行による投資子会社設立を進めハイテク関連など、長江デルタ発展の重点分野への投資を後押しする。また、金融機関とハイテク企業によるフィンテック企業設立を支援し、人工知能(AI)などの金融分野への応用や人材育成を行う。さらに、要件を満たす臨港新エリア内の企業について、クロスボーダー貿易での人民元による決済を一層進めるとともに、上海手形取引所とデジタル技術研究機関が協力して貿易融資資産のクロスボーダー移転を推し進め、人民元によるクロスボーダー貿易融資業務を発展させるとした。

上海金融業の対外開放に関しては、外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)や金融業対外開放11条を受け、生命保険分野での外資出資比率上限を51%から100%まで引き上げ、外資系金融機関による上海での会社設立を支援する。また、年金管理会社の設立や、保険資金によるコモディティ投資も検討する。金融機関以外の企業による金融持ち株会社の設立や、グローバル企業の資金管理部門の誘致も進めるとともに、インターバンク市場への外国人投資家の参加を促進し、外国人投資家の質および量を高めるとした。制度面では、国際基準に沿った金融ルールを整備するとともに、「目に見えない障壁」となっているさまざまな通知を全面的に整理する。

長江デルタ一体化発展(2019年12月23日記事参照)における金融面での支援では、三省一市(江蘇省、浙江省、安徽省、上海市)で連携した与信メカニズムをつくり、審査や与信限度査定、管理などの各方面での協力を強化するとしている。そのほか、公共サービス決済の共通化や、ベンチャー企業への金融支援および知的財産権の取引と流通の促進、長江デルタでの金融政策の協調や情報共有メカニズムの構築なども盛り込まれた。

上海は、国際金融センターランキングで世界5位に位置付けられている(2019年9月27日記事参照)。中国人民銀行の陳雨露副行長は、第一財経日報が2月14日行ったインタビューに対して、「この意見は上海を金融改革開放の先駆者にするとともに、外資系企業の参入前に内国民待遇を整え、ネガティブリスト管理制度の開放モデルの準備とするもの」と述べた。インタビューでは、中国金融政策の開放に伴う外資系金融機関の参入例として、野村証券、JPモルガン・チェースによる中国企業との合弁証券会社や、アリアンツによる初めての外資持ち株保険会社の設立のほか、S&P、アメリカンエクスプレス、マスターカードなどの事例が挙げられている。

(船橋憲、宋青青)

(中国)

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