「長江デルタ区域一体化発展計画網要」を発表

(中国)

上海発

2019年12月23日

中国共産党中央委員会と国務院は12月1日、上海市と江蘇省、浙江省、安徽省を中心とした長江デルタ地域の一体的な発展を目指す計画「長江デルタ区域一体化発展計画網要」(以下、「網要」)を発表した。「長江デルタ区域一体化」は、2003年に浙江省書記(当時)の習近平・現国家主席が提唱し始めた構想で、2018年11月に「第1回中国国際輸入博覧会」で習国家主席が行った基調演説によって、国家戦略へと格上げされた。

長江デルタ区域の総面積は35万8,000平方キロに及び、日本の面積(37万8,000平方キロ)に匹敵する。

「網要」では、2025年までに各方面で実質的な進展を遂げる「計画期」と、2035年までにさらなる発展を遂げる「展望期」に分けて計画が設定された。具体的な発展目標については表参照。

表 「長江デルタ区域一体化発展計画網要」の目標

12月6日には国務院新聞弁公室の記者会見が開かれ、国家発展改革委員会の羅文・副主任のほか、上海市、江蘇省、浙江省、安徽省から各常務副市長・副省長が出席した。会見で羅副主任は「綱要」のキーワードは「一体化」と「高品質」だとした。「一体化」については協同や協調よりレベルが高いものを指しており、それこそが長江デルタ区域発展の重点であり、難点でもあると指摘した。また、長江デルタ区域には「高品質」の発展が求められており、それは発展の方向性や政策の制定でも必要となる。長江デルタ地域が質の高い発展を遂げ、現代化をリードしていく地域一体化発展のモデル区となることを目指していくとした。

また、12月9日には、上海市人民政府発展改革委員会と在上海日本総領事館の共催により、日本企業向けに「長江デルタ一体化発展戦略および上海自由貿易試験区臨港新エリアに関する説明会」が開かれた。上海市発展改革委員会などが「綱要」作成の経緯と概要について説明した上で、日系企業の投資を歓迎する意向が示された。

写真 日系企業向け説明会であいさつする上海市発展改革委員会の馬春雷主任(同委員会提供)

日系企業向け説明会であいさつする上海市発展改革委員会の馬春雷主任(同委員会提供)

(侯恩東)

(中国)

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