上海市、国際金融センターランキングでシンガポールに肉薄

(中国)

上海発

2019年09月27日

英国のシンクタンクZ/Yenグループは9月19日、「第26回グローバル金融センター指数PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」(The Global Financial Centres Index 26)(以下、指数)を発表した(注)。この指数は世界の金融都市を、ビジネス環境や人的資源、インフラ、金融セクターの発展レベル、国際的な評価などを基にランク付けし、金融センターとしての競争力を測る指標となっている。

今回、中国から上位10都市にランクインしたのは、香港、上海、北京、深セン(表1参照)。上海は、2018年9月(第24回)のランキングで東京を追い抜いてから、3回連続で5位を維持している。さらに、アジアの金融センターである3位の香港や4位のシンガポールとの差を縮め、それぞれ10ポイント、1ポイントの差に迫った。

表1 直近2年間のランキング推移(上位10都市)

また、新たに南京が103位になり、国際的な金融都市として中国の11都市(香港を含む)がランクインした(表2参照)。

表2 ランクインした中国都市の順位(直近2年間)

上海が上位都市との差を縮めている理由について、中国のメディアは「国際社会が上海市を国際金融センターとして認めるようになってきたことを示している」と分析した(「解放日報」2019年9月20日)。

中国は2018年以降、金融の対外開放政策を発表しているが、上海は8月に自由貿易試験区臨港新エリアの建設(2019年8月15日記事参照)のほか、9月に「外商投資をさらに促進するための若干の意見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を発表するなど、さらなる金融の対外開放を推進していることも影響していると考えられる。

(注)2007年以降、毎年3月と9月に発表されている。

(侯恩東)

(中国)

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