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中国内販研究会、模倣被害とクレーマー問題には事前の対策を慎重に

(中国)

大連発

2020年01月29日

ジェトロが12月18日に大連市で開催した2019年度2回目の「内販研究会」(2019年度第1回の概要は2019年9月25日記事参照)。2部構成の研究会の第2部では、模倣対策と知的財産保護を専門とするコンサルティング会社IP FORWARD模倣対策部の陸洋森・部長が「中国事業展開時に遭遇しやすい模倣被害問題・クレーマー問題の予防と対応策」の演題で講演した(第1部の概要は2020年1月29日記事参照)。

陸部長はまず、中国における近年の知的財産権侵害の傾向として、商標の模倣からデザイン・技術の模倣に至るまで、様態が複雑化かつ高度化していることを挙げた。中国では商標の冒認登録(第三者が先に権利登録してしまうこと)が多いため、企業は中国進出前、または新たな商品・サービスの展開前に権利登録を行うことが重要になるという。

模倣被害が発生した際の対応としては、模倣業者の実態や模倣品の流通状況などの調査をした上で摘発する流れとなる(注1)。被害額の大きな事案については、民事訴訟の提起により加害者に損害賠償請求を行う方法もある。陸部長によると、インターネット上に出回る模倣品の対策として、模倣品が掲載されたウェブページの調査と当該ページの削除を繰り返し行う方法が有効だという(注2)。

中国には、金銭目的でクレームを専業とする「プロのクレーマー」も存在する。陸部長によると、多くは製品のラベル表示などの取るに足らない瑕疵(かし)を理由に賠償金や和解金を狙う事案だ。輸入品を含む食品のラベル表示などがクレーム対象となることが多いため、企業の対応策として、1.関連規定を理解し順守すること、2.消費者のクレーム先となり得るスーパーや販売店との契約文言に、クレーム発生時の自社の負担が大きくなる条項を極力盛り込まないこと、3.悪質なクレームの場合には所管の政府部門に通報して協力を求めることなどを陸部長は挙げた。

(注1)摘発には、行政機関のみで完結する「行政摘発」と、刑事裁判を経て処罰がなされる「刑事摘発」の2種類がある。陸部長によると、行政摘発は刑事摘発に比べて費用が安価で、かつ刑事摘発や民事訴訟に比べ短期間で処罰が確定するため、企業はまず行政摘発を選択する傾向があるという。

(注2)中国の多くの電子商取引(EC)サイトで、模倣品ウェブページの削除申請を受け付ける専用ページを設けている。

(匂坂拓孝)

(中国)

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