第3四半期GDP成長率、前年同期比マイナス1.7%

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年12月20日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)は12月17日、2019年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率を発表した。前年同期比でマイナス1.7%だった。前期比(季節調整済み)では0.9%とプラス成長を記録した。

前年同期比の成長率を産業部門別にみると、農業・牧畜・狩猟・林業が、歴史的干ばつに見舞われ穀物輸出が低迷した前年からの反動で、12.2%と引き続き増加している。また、鉱業・採石も3.0%と増加しており、世界第2位のシェールガス埋蔵量を誇るバカムエルタ鉱区の生産量が増えたことが貢献している。ホテル・レストランも1.6%と、2019年で初めてプラス成長となった。一方で、漁業はマイナス17.1%と大きく落ち込んだ。

需要要素別では、総固定資本形成はマイナス10.2%だった。財・サービスの輸出は、通貨ペソ安の恩恵などを受け、14.2%となった(表参照)。

表 四半期別の実質GDP成長率〔前年(同期)比〕

アルゼンチン中央銀行が発表した国内外46人の民間エコノミストらによる最新の見通し(REM)では、2019年のGDP成長率はマイナス2.8%と予測されている(2019年12月19日記事参照)。IMFによる世界経済見通しは、マイナス3.1%としている(2019年10月30日記事参照)。2018年のアルゼンチンのGDP成長率はマイナス2.5%だが、12月17日付「エコノミア」紙によると、2019年はこれをさらに下回り、過去10年間で最低の数値を記録すると予想されている。

(津下みなみ)

(アルゼンチン)

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