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アルゼンチン鉄鋼業界、米国の鉄鋼・アルミ追加関税の影響を懸念

(アルゼンチン、米国、ブラジル)

ブエノスアイレス発

2019年12月06日

トランプ米大統領が自身のツイッターで、アルゼンチンおよびブラジルからの鉄鋼・アルミニウムの輸入に追加関税を復活させると発表(2019年12月3日記事参照)したことを受け、アルゼンチン鉄鋼業界は不快感を示している。米国は、通商拡大法232条に基づき2018年3月から鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の追加関税を課し、その後、アルゼンチン政府の働き掛けにより、アルゼンチンは数量割当の対象国となり(2018年9月19日記事参照)、年間18万トン(鉄鋼およびアルミニウム)の追加関税適用除外枠が設定されていた。

12月5日付「エル・クロニスタ」紙によれば、アルゼンチン鉄鋼会議所は米国の発表への懸念を示しており、「国内経済活動の低迷、輸出税の課税やバカムエルタ鉱区(世界最大級のシェールガス・オイル田)におけるシェールオイル開発の停止などで産業が低迷する中、今回の米国の措置は外貨取得や雇用の削減につながる」と主張している。

「エル・クロニスタ」紙によれば、今回の措置の影響を受けるのは次の3社としている。1社目は、国内で唯一の一次アルミニウムメーカーのアルアール。同社の輸出全体の約40%は米国向けだ。2社目は、テチントグループの鋼管を製造販売するテナリス。2019年第1四半期における米国向けの販売は8億9,300万ドルに達したと報告しており、同社は、2017年に米国で工場を設立している。3社目は、同じくテチントグループで平鋼を製造するテルニウム。同社の対米輸出は輸出全体の15%を占める。トランプ大統領によるツイッターでの発表後、アルアールとテルニウムの株価はそれぞれ8.94%、5.88%下落した。他方、アルセロール・ミッタルグループの鉄鋼メーカーのアシンダールは、米国向けにはわずか1,100トンの輸出しかなく、大きな影響は想定していないと説明した。

アルゼンチンの米国向け輸出(金額ベース)を主要品目別にみると(添付資料表1参照)、上位10品目に今回対象のアルミニウムおよびその製品(HS76類)、鉄鋼製品(HS73類)が入っている。鉄鋼(HS72類)は少額で48位となっているが、2019年1~10月では前年同期比3.3倍と大きく増加した。

対象品目を輸出先国別でみると(添付資料表2参照)、2018年のアルミニウムおよびその製品の米国向け輸出は全体の62.4%を占めている。2019年1~10月の同製品の米国向け輸出は、前年同期比12.7%減少しているものの、輸出全体の56%を占めており、米国が主要仕向け先であることに変わりはない。鉄鋼製品の場合は、2018年は輸出全体の33.4%が米国向けだったが、2019年1~10月では15.9%増加し、全体のシェアは42.4%に伸びている。

12月2日付「エル・クロニスタ」紙によれば、ダンテ・シカ工業生産労働相は、ブラジルのパウロ・ゲデス経済相と連絡を取り、共同で米国側と協議したい意向を示した。12月10日に発足するアルゼンチン新政権で、次期外相として就任することが見込まれているフェリペ・ソラ議員は「米国の措置を懸念するものの、交渉の末に撤回できる」と、前向きな姿勢を示している。

(山木シルビア)

(アルゼンチン、米国、ブラジル)

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