アルゼンチン、鉄鋼・アルミ製品の数量割当適用除外が利用可能に

(アルゼンチン、米国)

ブエノスアイレス発

2018年09月19日

トランプ米大統領は8月29日、鉄鋼・アルミニウム製品の関税賦課について、数量割当対象国に対しても製品別適用除外制度の利用を可能にする文書に署名した。米国におけるアルゼンチン産の鉄鋼およびアルミニウムの数量制限に対し、品目別適用除外手続きを申請することができるようになった。アルゼンチン政府は、米国による鉄鋼などへの追加課税問題が起きて以降、課税対象国に含めないよう外務・宗務省や工業生産省(当時)を中心に大臣レベルで米国通商代表部(USTR)に働き掛けを行い、2018年6月以降は数量割当対象国となっていた。なお、今回の米国政府の決定についてアルゼンチン政府の公式の発表は行われていない。

今回の米国の措置に対するアルゼンチン鉄鋼産業への影響は少ないものとみられる。アルゼンチンの米国向け鉄鋼輸出額(HS72類)は、2015年が1,042万ドル、2016年が1,712万ドル、2017年が539万ドルと少額で、鉄鋼輸出額全体に占める米国向け輸出は4%(2017年)にすぎない。2018年1~7月の米国向け輸出実績も131万ドルと前年同期比で61%減となっている。

他方、アルゼンチンの米国向けアルミニウムおよびその製品の輸出額(HS76類)は、2015年が2億609万ドル、2016年が3億5,035万ドル、2017年が4億9,282万ドルとなっており、米国は輸出全体の62%(2017年)を占める主要仕向け先だ。2018年1~7月の米国向け輸出実績も2億9,221万ドルと前年同期比で8%増となっている。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン、米国)

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