ニュシ大統領が年内2回目のロシア訪問、2国間関係強化へ

(モザンビーク、ロシア)

マプト発

2019年11月06日

モザンビークのフィリペ・ニュシ大統領は10月23、24日、ロシアのソチで開催されたロシア・アフリカサミットに参加した(2019年10月31日記事参照)。現地報道によると、カルロス・メスキータ運輸通信相、ジョゼ・パシェコ外務協力相、アウグスト・フェルナンド鉱物資源エネルギー省副大臣のほか、モザンビーク経済団体連合会(CTA)のアゴスティニョ・ブマ会長と加盟企業12社が同行した。

ニュシ大統領は今回、ロシア大手の外国貿易銀行(VTB)や、兵器輸出公社ロソボロン・エクスポート、ダイヤモンド採掘企業アルロサ、肥料生産企業ウラルカリなど複数のロシア企業と会談した。

ロイターによると、モザンビークの非開示債務のうち約5億3,500万ドル分を受け持つVTBは、2019年末までに同行に割り当てられている債務の再編計画で合意を目指すことを公表し、モザンビークの農業・資源分野におけるロシアを含んだ外国企業投資誘致への強い関心を示した。また、ロシア国営イタルタス通信のインタビューでデニス・マントゥロフ産業商務相はロシアの対アフリカ輸出を促進するため、モザンビークとナミビアに工業団地を建設する構想があることを明かした。

ニュシ大統領は8月にもロシアを訪問しており、2019年に入って2度目の訪ロとなる。10月15日の総選挙後(2019年10月24日記事参照)、初の外遊となった。前回の訪問時は、アタナシオ・ムトゥムケ国防相、マックス・トネラ鉱物資源エネルギー相、モザンビーク石油公社のカルロス・ザカリアス取締役らが同行し、国防、資源開発、発電の分野において計5つの協力協定、覚書をロシアと結んだ。

1964年から1974年まで続いたモザンビーク独立戦争時にソ連(当時)が現与党のモザンビーク解放戦線(FRELIMO)を支援した経緯もあり、両国の歴史的関係は深い。今回の大統領訪問により、両国の政治的・経済的結びつきはより強固になったとの現地報道の見方もある。

(松永篤)

(モザンビーク、ロシア)

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