大統領、議員総選挙の開票進む、与党率いるニュシ大統領が優勢、野党は不正と反発

(モザンビーク)

マプト発

2019年10月24日

5年ごとに実施されるモザンビークの総選挙(大統領・国会議員・州議会議員選挙)が10月15日、予定どおり行われた。非営利団体CIPが公表した19日時点の暫定結果によると、大統領選では、現職のフィリペ・ニュシ氏が得票率73%、最大野党モザンビーク民族抵抗運動(RENAMO)のオスフォ・モマデ党首が22%という状況だ。国会議員選挙では、与党モザンビーク解放戦線(FRELIMO)が得票率71%、RENAMOが22%、野党第2党のモザンビーク民主運動(MDM)が4%だ。各紙はニュシ大統領が勝利するとみているが、RENAMOは選挙に不正があったとして選挙結果を認めないよう国民に呼び掛けるなど、予断を許さない状況が続いている。

現地報道によると、選挙運動期間中(2019年9月18日記事参照)に殺人や事故などで40人を超える死者が確認されたものの、投開票の間はインターネットとソーシャルメディアへの制限措置もなかった。

EUの選挙監視ミッションは投票日に150人以上のオブザーバーを全国807の投票所に派遣し、視察を実施した。同ミッションは17日に暫定声明を発表し、おおむね予定どおりに投票が開始され、一部地域を除いて大きな混乱がなかったことを評価した。一方、選挙運動期間中に野党集会が暴力的手段で妨害されたほか、苦情などの処理に関して現地警察が与党寄りの対応を取っていることが見られたと指摘した。また、実際に登録された有権者数が推計値より多く、信頼性に乏しいことや、国内の不正選挙防止オブザーバーによる監視態勢が不十分な点などを指摘した。

なお、今回の総選挙の登録有権者数は約1,300万人だった。2004年以降の総選挙の投票率は50%未満の低水準で推移している。今回も投票率は大きくは伸びず、50%台にとどまると見込まれている。

(松永篤)

(モザンビーク)

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