エストニアにミッション派遣、現地スタートアップ企業と商談

(エストニア)

ワルシャワ発

2019年11月11日

ジェトロは9月30日から10月4日にかけて、北欧3カ国(スウェーデン、フィンランド、エストニア)にオープン・イノベーション・ミッションを派遣し、現地スタートアップ企業との協業を目指す日本企業向けにビジネスマッチングプログラムを実施した(2019年10月29日記事11月11日記事11月11日記事参照)。10月3、4日に、エストニアのタリン市でピッチ(注)イベントおよび商談会を開催した。

10月3日は、エストニアへの投資誘致を行うエンタープライズ エストニア(Enterprise Estonia)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますやエストニアのスタートアップ関連企業を取りまとめるスタートアップ エストニア(Startup Estonia)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、スタートアップ企業を支援するインキュベーターのタリン サイエンス パーク テクノポール(Tallinn Science Park Tehnopol)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが講演を行った。

まず、エンタープライズ エストニアは、エストニアのデジタルビジネス環境が整っていることを挙げた。企業設立の98%、銀行取引の99%、税務申告の96%がオンラインで行われていること、世界一の税務競争力指数を持つこと、世界で最も教育水準の高い国の1つであることなどを紹介し、エストニアが北欧の新たなシリコンバレーになるとした。

次に、スタートアップ エストニアから、スタートアップ企業の設立者の18%が外国人であること、エストニア政府がスタートアップ企業に投資していること、エストニアには優秀な人材が豊富で、近年はEU域外の企業がエストニアでスタートアップ企業を設立する動きがあることなど、同国のスタートアップ市場について説明があった。

最後に、タリン サイエンス パーク テクノポールから、法務およびマーケティングサポート、スタートアップ企業への最大3万5,000ユーロの資金提供や、研究開発(R&D)コンサルティングサービスなど、スタートアップ企業へのサポート体制についての講演があった。

写真 講演の様子(ジェトロ撮影)

講演の様子(ジェトロ撮影)

講演の後、事業に参加した日本企業各社は、タリン工科大学の関係者らと積極的なネットワーキングや意見交換を行っており、エストニアスタートアップへの関心をうかがわせた。また、エストニア側からは、日本はビジネス上での親和性が高いことが指摘されたほか、これまで以上の具体的な成果への期待が寄せられた。

翌4日には、日本企業とエストニアのスタートアップ企業が個別商談を行った。講演や商談を通じて、日本企業からは「バルト海周辺国の産業事情が理解できた」「面白いコンセプトの企業があった」「技術が高く、エストニアから目が離せない」といったコメントがあった。

今後ジェトロでは、2020年3月上旬に、オープン・イノベーションに関心を持つ日本企業グループを派遣する事業(ミッション)をドイツ・ミュンヘンで実施する予定。

(注)投資家らを対象とした短時間でのプレゼンテーション。

(楢橋広基)

(エストニア)

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