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欧州商工会議所、EUとしてのFTA実施に関する提言リスト公表

(EU)

ブリュッセル発

2019年11月22日

欧州商工会議所(ユーロチェンバース)は11月21日、欧州地域委員会(COR)(注1)とともに、EUが諸外国・地域と締結した自由貿易協定(FTA)などの通商協定について、企業の活用推進のための8項目の推奨事項を明らかにした外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注2)。両機関は11月18日付で、EUの通商協定に関わる企業や地方自治体など利害関係者の意識(効果と課題)についての共同調査(2019年11月19日記事参照)の結果を発表。日EU経済連携協定(EPA)を含む通商協定の実施についてのEU側の問題意識を明らかにしている。

「中小企業」「地方」の視点で効果的なFTA活用法を模索するEU

両機関はその共同調査結果を分析し、総論としては、EUが締結した通商協定はEU側の企業(特に中小企業)や地方・地域の期待に即した有益な政策と評価している。しかし、通商協定の利益の中核を担う、特恵関税適用の前提となる諸手続きの作業・コストについてはEU側の企業などにとって負担感が強く、通関手続きの簡素化が必要と指摘する。今回、両機関が明らかにしたEUのFTA実施に関して求められる主要8項目は次のとおり。

  1. 産業界と政策関係者の対話・協働:EUのFTAはその実施状況に格差があり、その解消のために各国にとって最適な施策を特定するため、産業界と国レベル・地方レベルの政策関係者の対話・協働を改善する。
  2. 加盟国レベルの支援策の改善:現状の加盟国による支援策は企業や地域の利害関係者の期待に適切に応えておらず、通商協定を活用する中小企業に対する支援のためのアクションプランの概要を策定するなどの改善策が必要。
  3. 中小企業のための実践的情報の提供:通商協定を利用する企業や地域の利害関係者の知識・情報量には相当の格差があり、その格差解消のためには、中小企業が通商協定を最大限活用するための実践的な情報の提供が必要。
  4. 原産地規則の明確化や国外での政府調達情報へのアクセス改善:EUが締結した通商協定に定められている原産地規則は複雑である上、(協定ごとの運用が)不統一な場合がある。また、相手国における政府調達案件へのアクセスや情報の提供を改善。
  5. 原産地基準計算システム構築:中小企業支援の最優先施策として、原産地基準を満たしているかをオンラインで判定するためのシステムを構築すべき。
  6. 通商協定実施責任者ポストの創設:EU加盟国の利害関係者がEUに対して直接的に通商協定実施における問題や課題を相談する「窓口(コンタクトポイント)」として、EU加盟各国に通商協定実施責任者を配置するべき。
  7. 加盟国・地方の政府と商工会議所の連携強化(中小企業支援成功事例の共有):中小企業の国際化支援のために、EU加盟国やその地方政府と各国・地方の商工会議所が果たした役割・経験、その成功事例などを共有し、連携強化する。
  8. 通商協定とその他の政策プログラムとの相乗効果の追究:EUおよび加盟国は〔「(中小企業)国際化」「研究開発・イノベーション」など〕各種政策プログラムを運用しているが、それらを企業が活用する上で最適な状況にする必要がある。特に中小企業や地方については、それらの強みを特定し、各種政策プログラムと通商協定をセットで効果的に活用できるようにする。

なお、欧州委員会は同日、EUシンガポール自由貿易協定の発効を発表(2019年11月22日記事参照)しているが、この中で、EUは73の国・地域を対象に42件の通商協定を運用しているとしている。

(注1)EU28カ国の自治体などの代表者からなる諮問委員会で、EUが提案する法案に対し、地域・都市を代表して意見を述べる役割を果たす。

(注2)リンク先サイト、Related documentsの2019年11月21日発表の調査を参照のこと。

(前田篤穂)

(EU)

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