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日EU・EPAに対するEU側の意識が明らかに、期待とともに課題も

(EU、日本)

ブリュッセル発

2019年11月19日

欧州商工会議所(ユーロチェンバース)と欧州地域委員会(COR)(注1)は11月18日、EUによる対外通商協定の実施状況に関する企業や地方自治体など利害関係者の意識(効果と課題)についての共同調査結果外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(注2)を公表した。2月に発効した日EU経済連携協定(EPA)に対するEU側の効果期待(Attractiveness)がその他の通商協定と比較しても高いとの認識を明らかにした。ただ、協定発効から日も浅く、「協定活用のための実践的な情報の不足」や「文化・言語の壁」などの課題があるとも指摘している。

両機関はEU各国や地方の商工会議所、地方自治体、地域の利害関係者に対するオンライン調査(調査期間:8月22日~10月28日)を実施、EU全加盟国をカバーする136の回答を得たとしている。総論として、EUと諸外国・地域との自由貿易協定(FTA)による各国・地域経済への貢献は「関税撤廃・低減」や「サービス市場アクセス改善」など、具体的な効果があるとの認識が今回の回答結果で確認されたとしている。

主要な課題としては、「通商協定活用や相手国の公共調達市場アクセスのための実践的な情報(の不足)」が明らかになったとしている。特に特恵関税を享受するための「原産地規則の複雑性・(運用の)不統一性」や「通関手続きに関わる作業負担(コスト)」は回避されるべき課題としている。

日EU・EPAに対する認識を見ると、EU側の効果期待は「高い」「普通」の合計回答比率が比較対象の9協定(対スイス、カナダ、日本、韓国、ベトナム、ウクライナ、メルコスール、メキシコ、アンデス共同体)の中で、対スイス協定(8割超)に次いで高い結果(7割超)となった。

しかし、課題意識もEU側にはあり、日EU・EPAの問題としての指摘比率が高い順に、「協定活用のための実践情報の不足」「文化・言語の壁」「原産地規則の複雑性」「EUあるいは相手国側の通関ルール準拠のための高い作業負担」「政府調達情報へのアクセスおよび手続きの困難性」の比率がそれぞれ7割を超える結果で、対カナダ、韓国協定と比較しても、これら5項目で日本についての問題指摘率が最も高かった。

ただし、今回の報告書では、2011年7月に暫定適用を開始した対韓国協定と比較して、「政府調達情報へのアクセスおよび手続きの困難性」についての問題指摘率が日EU・EPAで高い点に触れ、「通商協定のより良い活用には(協定運用開始以降の)時間が重要な意味を持つ」と指摘。今後の運用継続に伴う状況改善の可能性も示唆した。

なお、「中小企業や地方が通商協定を最大限活用するために必要な支援策は何か」との設問に対して、「第三国とのビジネスに関する実践的解説書」「(特恵関税を活用するための)原産地基準を満たすかどうかの無料オンライン判定システム」「EUが締結する通商協定における原産地基準の複雑性低減(相手国によって異なる基準の乱立回避など)」の順で、「極めて有効」とする回答割合が高く、いずれも7割を上回った。

「今後、(通商協定活用を通じた)成長機会のために必要な情報提供の最適な主体」については、「商工会議所」が6割近くを占め、「各国(中央政府)レベル」「EUレベル」「地方レベル」(いずれも3割以下)との比較で、圧倒的支持を集めている。

(注1)EU28カ国の自治体などの代表者からなる諮問委員会で、EUが提案する法案に対し、地域・都市を代表して意見を述べる役割を果たす。

(注2)リンク先サイト、Related documentsの2019年11月18日発表の調査を参照のこと。

(前田篤穂)

(EU、日本)

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