米GMの労使交渉、1カ月のストライキを経て暫定合意
(米国)
ニューヨーク発
2019年10月17日
全米自動車労働組合(UAW)とゼネラルモーターズ(GM)は10月16日、今後4年間にわたる労働協約に関し、暫定合意に達したと発表した。合意内容の詳細については明らかになっていないものの、UAWは今回の暫定合意を「大いなる勝利だ」と評価しており、4万6,000人に上る従業員の待遇が今後、改善されるとみられている。
今回の労使交渉では、臨時雇用者に対する待遇の是正や、雇用の確保、給与やヘルスケアを含む福利厚生の正当な支給などが争点となっていた(2019年10月9日記事参照)。これに対しGMは、臨時雇用者に関しては3年勤務後の正規社員としての雇用や、3,000ドルのボーナスの支給、また雇用の確保に関しては、米国内拠点への90億ドル相当の新規投資などを最終提案の中に盛り込んだという(オートモーティブニュース10月16日など)(2019年10月16日記事参照)。
今回の合意案が協定として成立するには、まず10月17日に行われるUAWのナショナルカウンシルミーティングにおいて、約200人の組合代表による投票を経て暫定合意案が承認され、その後、一般組合員の投票により批准されなければならない。なお、交渉をめぐって、9月15日から続く全米の拠点で行われているストライキを打ち切るか否かについては、17日のナショナルカウンシルミーティングで決定する予定だ。
今回の労使交渉は、フォード、フィアットクライスラー・オートモービルズ(FCA)を含む米系3メーカーのうち、前年11月に生産性向上を目的に複数拠点の事実上の閉鎖を発表するなど、最も交渉が難航すると予想されたGMを皮切りに始まった。残る2社に関しては、GMとの交渉結果をたたき台として、10月17日の組合代表承認後に開始されることになる。
(大原典子)
(米国)
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